株式会社理経は、産学官連携による共同開発を進めてきた、火災現場を疑似体験するためのVR消防教育訓練シミュレーションシステムにおいて、「学習モード」を2023年11月より販売開始することを発表した。
「VR消防教育訓練シミュレーションシステム」は、消防隊員の教育訓練に特化したシステムで、理経が横浜市消防局、東京大学および東京理科大学と産学官で共同開発を進めているものだ。火災性状(火災の発生および拡大のメカニズム)を学ぶ「学習モード」と、バーチャル空間で消火活動を体験できる「訓練モード」から構成されている。
今回発表された「学習モード」は、3種類のコンテンツから構成されている。
1つ目が、「360°燃焼実験映像」だ。建物室内を実際に燃焼させた火災の再現実験を、360°画像で撮影している。
2つ目が、「温度可視化画像」だ。時間経過とともに推移していく火災現象をとらえたバーチャル映像に、120カ所の温度測定データを数字として可視化することで、火災進展時の温度変化を確認する。
3つ目が、「6DoF(シックスドフ)煙体験」だ。建物火災現場を自由に移動し、煙の拡大を確認する。
これにより、500℃以上の高温で燃えている室内で、火災の進展を観察しているかのような没入感を感じながら、火災性状を学習することができる。
なお、この「学習モード」は、横浜市消防訓練センターにおいて、初任教育生の教育訓練に活用される。
今後は、全国の消防・防災関係機関に向けVR消防教育訓練シミュレーションシステム「学習モード」を販売開始していく予定だ。また、その販売額の一部は横浜市に歳入される。
理経は、今後もさらに共同研究開発を進め、消火活動を疑似体験する「訓練モード」の完成を目指すとしている。
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