日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は、製造・物流拠点を有する製造・エネルギー・運輸業などに対して、3Dのデジタル空間上に自社拠点の操業・保全・保安・物流に関する情報を表示することで、一元的な可視化を実現するデジタルツインソリューション「Geminant(ジェミナント)」の販売を開始した。
「Geminant」は、データの時系列管理と現場の可視化をキーに、異なる業務間におけるデータ連携・共有する製品だ。
地理情報システム(GIS:Geographic Information System)で表現された3次元マップをベースに、単一工場だけでなく、全世界の工場や営業エリアを対象とした可視化が可能だ。
また、過去~現在の時系列に応じたデータ可視化機能に加え、NSSOLが保有する数理モデルを用いた最適化技術やシミュレーション技術を使って、外部からのシミュレーション結果を連携させることで、未来時間での並行世界も表現することができる。
さらに、デジタルツインを表現する統合データモデルをベースに、ユーザの業務を表現するデータを追加することで、独自のデジタルツインシステムを構築することが可能だ。
これにより、様々な役割や業務を超えて俯瞰的・視覚的に状況認識を行うことが可能となるほか、計画データやシミュレーション結果を反映することにより、予実分析や異常予測等も実現可能となる。

加えて、NSSOLが保有する既存のスマートファクトリーソリューションである、現場作業員向けの「安全見守りくん」、製造設備向けの稼働状態監視・予知保全ソリューション、製造物に対する現品管理・トレーサビリティ・画像解析ソリューションなどの各種データに加え、ユーザが保有するDCSなどの運転データ、P&ID/BIMなどの図面データ、各種カメラ映像、BIツールなどの様々なデータを「Geminant」と連携させることによって、ポータル化することも可能だ。
また、NSSOLの自社開発ソリューションのため、URL連携不可のデータについても、要望に応じて個別に連携用インターフェイスの開発が可能とのことだ。

ユースケースとしては、保安情報の一元化、災害時対策、工事シミュレーション、保全作業効率化、操業運転管理、車両運行管理などが挙げられている。
今後は、関連する複数のデータに共通の管理IDを割り当てデータベース化する技術、自動でデータ間の関連付けを行う技術、生成AIを用いて必要な情報をガイダンスする技術などからなる「データシンクロニシティプラットフォーム」への拡張を目指しているのだという。
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