近年、人件費の高騰や熟練技能者の不足に伴い、様々な製造現場において、装置の立ち上げから運用、保全までを効率化するニーズが高まっている。そのため、予算が限られた小規模装置においても、生産現場のデータ活用や装置の稼働状況の見える化、更には突発的な故障や停止などの防止が求められている。
しかし、このような小規模装置のデータ活用実現のためには、コントローラーを用いたネットワーク構築によるIoT化が必要であり、実現は容易ではなかった。また、インフラや農業関連といった製造現場以外の装置では、IoT化だけでなく耐環境性が必須であり、顧客自身が専門知識を持って管理や保全を行う必要のある専用コントローラーが使用されていた。
オムロン株式会社は、小規模装置における制御とIoT化を実現するオールインワンコントローラー(※1)「CP2Eシリーズ」を10月より発売する。これにより、小規模装置のIoT化による稼働状況の見える化をプログラミングにより実現し、製造業に限らずさまざまな業界の装置の生産性向上や品質の向上に貢献する。主な特長は以下の通り。
- 装置の稼働状況や生産状況の見える化に対応
- Ethernet 2ポート(L2スイッチングハブ機能内蔵)で上位ネットワークと接続し、生産現場のデータをMESやPCと共有することや表示器など別機器との接続が可能である。
- シリアル通信 最大3ポート(オプションボード使用)で従来に比べ多くの周辺機器の接続が可能である。
- 複雑な制御を容易に実現
- オムロンが提供する専用のプログラムデータであるファンクションブロック(※2)を使うことにより、容易に複雑な制御の装置を立ち上げることができ、コントローラーのプログラミング、テスト、不具合修正や保全などの工数を削減する。
- 4軸位置決め機能を有し、直線補間もファンクションブロックで実現する。
- ワークの定寸送りも1命令で実現する。
- ハンチングやオーバーシュートの少ない安定した温度制御もファンクションブロックで実現する。
- 設置からメンテナンスまで提供
- 使用温度範囲が-20℃~+60℃に拡大し、製造現場以外の装置においても対応できる。
- バックアップ用バッテリー不要で、メンテナンス工数を削減する。
- 端子台配列に対応した入出力表示LED配置で、トラブル時の入出力確認を迅速に実行可能である。
- ユーザプログラムのビット化けが発生しても検出・自動復旧し、メモリ異常による装置のダウンタイムを低減する。

※1 装置の制御に必要な入出力ポート/通信/軸制御が一体型となったコントローラー。
※2 コントローラー用ラダープログラムの機能部品。プログラム開発工数の削減と標準化による品質向上を同時に実現。
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