近年、日本をはじめ先進国では労働人口が減少し、新興国では人件費が高騰する一方、モノづくりの現場では多品種変量生産でも生産性を高め利益率を向上させることが求められている。
オムロン株式会社が発売している自動搬送モバイルロボット「LDシリーズ」は、人や障害物を自動で回避しながら適切なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボットである。
そして今般、オムロンはLDシリーズの新製品「モバイルロボットLD-250」を発売した。主な特長は以下の通り。
- 搬送重量(ペイロード)
- 堅牢構造
- 混合フリート
- 投資収益率(ROI)を向上
- カスタマイズが可能
従来製品は、LD-60が60kg、LD-90が90kg、そしてカートトランスポータタイプが最大130kgまで搬送可能だったが、今回発売したLD-250は250kgまで搬送することができる。
LD-250は、ロボット上部面積を従来の約2倍にした上、従来品よりも頑丈な金属カバーで覆われているため、意図せぬ外部の衝撃やより過酷な作業に耐えることができる。自動車産業のトランスミッションブロックやシート、ワイヤーハーネス、食品や日用品産業における梱包材など、従来、人がカートを使用して行っていたかさの大きいものの搬送作業を自動化することができる。
オムロンの「フリートマネージャ」は、ペイロードや性能の異なるオムロン製モバイルロボットを、最大100台まで同時に制御できるシステムである。LD-250はこのフリートマネージャに容易に接続でき、従来のオムロン製モバイルロボットとシームレスに連携する。
フリートマネージャを使用することで、互換性やパフォーマンスを心配することなくロボットを制御し、トラフィック管理、バッテリ管理、および車両ナビゲーションを最適化することができる。これにより複雑な搬送業務の自動化を実現し、生産性向上に貢献する。
LD-250を使用することで、1回の搬送で今まで以上の分量を運べるようになり、ROIの向上につながる。既存LDシリーズのモデルと組み合わせて、柔軟な搬送システムを構築することができる。
LD-250は、上部にコンベアや搬送容器など、用途に応じた専用のマテリアルハンドリング機構と自由に組み合わせてカスタマイズし、利用者のニーズにあったソリューションを実現する。また、LD-250はパフォーマンスを高めるための各種オプション(HAPS(※1)、サイドレーザセンサ、Acuity Localization(※2)など)も使用可能だ。
さらに、オムロン協調ロボットTMシリーズとLD-250を統合すると「モバイルマニピュレーター」が実現し、搬送とマニピュレーション作業を同時に実現できる新しいアプリケーションを開くことができる。
※1 High Accuracy Positioning System(高精度位置決めシステム)の略。
※2 照明位置決め広角カメラオプション。頻繁に変化する環境でもモバイルロボットが位置推定できる方法を追加できる。
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