ミャンマー連邦共和国では、経済成長に伴い2014年にわずか1割程度だった携帯電話の普及率が現在では9割を超えている一方、通信容量やIPアドレスが不足しているため、通信インフラの増強が急務になっている。
これまでNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、日本政府による無償援助にて、ネピドー・ヤンゴン・マンダレー(3大都市)を結ぶ基幹通信網やLTE基地局、国際インターネット接続設備などの通信インフラを整備した実績がある。また、双日株式会社には1918年にヤンゴンに事務所を開設以来、ミャンマーのインフラ・エネルギー案件に携わってきた経験がある。
そして今般、双日とNTT Com、NEC、NECネッツエスアイ株式会社の4社は、ミャンマーの通信事業者であるMyanma Posts & Telecommunications(以下、MPT)から、3大都市、ティラワ経済特区を結ぶ基幹通信網の増強プロジェクト「通信インフラ改善事業」を受注し、契約調印した。同事業の受注金額は約70億円である。
同事業において4社は、国際インターネット接続設備や3大都市、ティラワ経済特区を結ぶ基幹通信網を2021年を目途に整備を行う。これにより同区間の通信容量は現行比3倍以上に拡大し、通信環境が改善すると同時に、今後導入が見込まれる5Gサービスを支える通信インフラになる。
同事業における各社の役割は以下の通り。
- 双日
- NTT Com
- NEC
- NECネッツエスアイ
同事業の単独主契約者として、世界各国におけるインフラ整備プロジェクトノウハウを活かしたプロジェクト管理を行う。
インターネット接続サービスプロバイダーの技術力や知見を活かして、3大都市に展開する国際インターネット接続設備を更改し、最大800Gbpsの通信容量を実現する。加えて、IPv6(※)の導入によりIPアドレス不足を解消する。
3大都市の基幹通信網およびヤンゴン市内の通信網に光通信機器を提供する。これにより同区域で、現行比3倍以上となる1Tbpsの伝送容量を実現する。今回提供する機器は、波長の異なる複数の信号を多重化し、光ファイバーで伝送する技術を有した光通信機器である。
タイ現地法人と共同で、3大都市間を結ぶ基幹光通信装置の据付及び調整、ヤンゴン市内並びにティラワ経済特区の総延長距離約180Kmの光ファイバーの敷設及び光通信機器の設置工事や設定作業と電源や空調などの設備工事を担当する。
※ IPv6は、世界中で約340澗個(340兆の1兆倍の1兆倍)のアドレスを使用でき、IPv4(約43億個)のアドレス不足を解消することができる。日本では、NTT Comをはじめ多くの事業者がIPv6を導入している。
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