近年、モノづくりの現場では、熟練技能者の不足や製品の多様化が進む一方、需要変動に柔軟に対応するため急な生産地変更や複数拠点で同時に生産ラインの立上げを行い、高い水準で生産性や品質を維持向上していくことが求められている。
IoTの活用によりこれらの課題解決を目指す取り組みは進みつつあるが、拠点ごとに設備や生産条件が異なるため、複数拠点でのデータの収集や集約の仕方、その活用には現場を熟知した知見・ノウハウが必要だ。また、多種多様な現場の課題を一度に可視化し、同じ水準で生産性や品質を同時に向上させることは難しいのが現状である。
そのような中、オムロン株式会社は、モノづくりの生産性や品質を向上させるためのデータ活用サービス「i-BELT」と、シーメンスのクラウドベースのオープンIoTオペレーティングシステム「MindSphere」に関して両社でパートナー協力し、オムロンの草津工場で実証実験を開始する。
i-BELTは、オムロンの約20万種の制御機器群と長年培った現場経験を活かし、工場の様々な機器から得られるデータを活用して最適なモノづくり現場をお客様と共創するサービスである。i-BELTでは、より多くのデータを収集し活用するため、デバイスメーカーを始めとした30社以上のパートナーと提携している。
今回、製造現場のデータ活用に強みを持つオムロンと、クラウド型IoTオペレーティングシステムを持つシーメンスが組むことで、複数拠点の大量の製造現場のデータを収集、分析することが可能となる。i-BELTのコンサルタントが、各拠点のデータを具体的な現場課題と紐づけて分析し課題を可視化する。
これにより、複数拠点の製造設備のデータを連携させることが可能となり、多様化する製造現場の課題解決に貢献する。今後、大量のデータを活用して機械制御の精度を更に高め、複数拠点の課題を同時に解決することを目指す。
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