半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、4Mbitの容量を持つ新しいEEPROM「M95M04」を発表した。主な特長は以下の通り。
- 小型機器でもSPIを介して大量のデータを取得し保存が可能
- 10億回のフルメモリ読み書きサイクル限界試験に耐え、ポートフォリオの拡充を支援
- メモリの低消費電力を活かしてバッテリ駆動時間を延長可能
- 不揮発性ストレージで、アプリケーション・コード、キャリブレーション、ユーザ・パラメータといった記録保持データと、繰り返し上書きされるデータ記録に対応
- 大容量メモリを8ピンのSO8NパッケージおよびTSSOP8パッケージで実現しており、競合製品と比べてコスト・パフォーマンスが向上
- 1.8V~5.5Vの電源電圧範囲と40年間のデータ保持期間
スマート・メーターなどの装置ではデータ記録ができるため、グリッド管理や簡略化された課金処理を実現するほか、携帯型医療機器では、患者のデータをより多く記録できるためケアの質が上がり、コンスーマ向けのスマート・ウェアラブル機器ではユーザ機能の拡充や精度の向上に貢献する。
512バイトの書き込みに要する時間は5msで、低遅延なシステムを構築する。
産業機器制御やネットワーク・スイッチなどの通信インフラといったさまざまなアプリケーションでも活用可能である。
例えば、マイクロコントローラとFlashメモリを組み合わせたEEPROMエミュレーション・メモリや、強誘電体メモリ(FRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)などの競合製品は、CMOS EEPROMと比べて消費電力が大きく、電源電圧範囲が狭くなる。
SO8Nパッケージ、TSSOP8パッケージ、またはWLCSPチップ・スケール・パッケージ(8ボール)で提供される。
STのメモリ事業部ジェネラル・マネージャであるBenoit Rodrigues氏は「STは、シリアルEEPROMにおける世界的リーダーとして認知されており、今後も技術革新を推し進めていきます。当社のEEPROMは、コンスーマ機器、産業機器および車載機器など、幅広いアプリケーションに使用されています。今回発表した業界初の4Mbit EEPROMには、EEPROMの製造プロセスでは業界最先端となるST独自の110nm CMOSプロセス技術が採用されています」と述べた。
これにより、日常生活や業務で使用される機器の性能を向上させ、利便性や効率化の実現に貢献する。
なお、M95M04は現在サンプル出荷中で、1000個購入時の参考価格は約2.50ドルである。
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