株式会社博報堂アイ・スタジオのデジタルクリエイティブラボ「HACKist(ハックイスト)」は、株式会社博報堂の「スダラボ」と雪かきスコップ用IoTデバイス「Dig-Log(ディグログ)」を共同開発した。
近年、雪かき作業中の事故は全国的に増加傾向にあり、担い手の高齢化や不足などが課題となっており、特に積雪量の多い雪国と言われる地域では死活問題となっている。
Dig-Logは、HACKistと博報堂のスダラボ、そして日本有数の豪雪地帯である新潟県にある長岡技術科学大学・工学部の上村靖司教授(日本氷雪学会・評議員)と共同開発したもので、既存の雪かきスコップにアタッチメント式の感圧センサーを取り付けることでIoT化するデバイスだ。
感圧センサーによって除雪した雪の重さや消費カロリーを算出し、連動したスマホアプリで記録したり競いあったりすることができるので、今まで重労働だった雪かきを、ウィンタースポーツさながらに楽しめるものに変化させ、過疎の豪雪地帯の人手不足の解消などに役立てることができる。
博報堂アイ・スタジオは、今年もテキサス州オースティンで開催されるテクノロジー・スタートアップのイベントSXSW Trade Show 2016(3月13日から16日まで)に出展し、そこでDig-Logを展示する。
雪かきスコップとして豪雪地域に限定したアプローチをするだけではなく、土砂の運搬などスコップを活用する様々なシーンでの利用可能性を視野に、新しい体験価値を提案していく。
『越後雪かき道場 in 鬼無里』におけるDig-Logの実用事例について
2016年2月20日(土)と21日(日)の2日間、NPO法人中越防災フロンティアが主催となって長野県長野市鬼無里で行われた雪かきの講習イベント『越後雪かき道場 in 鬼無里』(以下 越後雪かき道場)において、雪かきをスポーツエンターテイメント化する新たな試みが実施された。
東京都内の学生をはじめ県内外から30名ほどが参加した実技講習の中でDig-Logを使用した若者は、「どれだけ除雪したかわかるので、やる気になる」、女性は「消費カロリーがわかるのは嬉しい」などの好意的な反応を示し、「雪かき師範」と呼ばれるベテランからも「有意義な取り組み、これで若い人がもっと雪かきをしてくれるようになればありがたい」と高評価だったという。
【関連リンク】
・アイスタ(HAKUHODO i-studio)
・博報堂(Hakuhodo)
・長岡技術科学大学(Nagaoka University of Technology)
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