国交省が掲げる建設生産システム全体の生産性向上を目指す取組み「i-Construction」では、建設生産プロセスにおいてICTの全面的活用が提唱されており、なかでも施工現場で最も多く使用される油圧ショベルのICT化は生産性向上への重要な要素となる。
そこで、株式会社トプコンは、油圧ショベル用のICT建機システム「X-53x」へ新たに自動化を実現するマシンコントロールシステム(※1)「X-53x Auto」をラインアップに加え、日本国内向けの販売を開始した。
X-53x Autoは、建機操作の自動化を実現し、オペレーターの作業を軽減するとともに、効率的な施工を可能とする。各建機メーカーの油圧ショベルに後付けができるシステムで、また既存のX-53xマシンガイダンスシステム(※2)からのアップグレードも可能なため、既に稼働している数多くの油圧ショベルの自動化を実現する。詳しい特長は以下の通り。
- 各建機メーカーに対応する後付けシステム
- 高さ自動制御機能(ブームアシスト)
- バケット固定機能(バケットアシスト)
- 手元ボタンの操作で設計値をオフセット
- マルチGNSS対応
動作制御の核となる油圧バルブならびにバルブコントローラーを後付けすることができるため、顧客が既に持っている資産を有効に活用できる。また、既にX-53xマシンガイダンスシステムを搭載した油圧ショベルも、X-53x Autoへのアップグレードが可能だ。
アームレバーを操作することで、バケットの刃先の高さが設計面と合うようにブームの角度を自動制御する。
高さ自動制御機能を有効にしたうえで、更にバケット固定機能を有効にすると、アームレバーの操作だけで設計面に対してバケットの角度を固定する。法面の成型、面仕上げなどの作業時間を短縮するだけでなく、仕上げ精度も向上する。
トプコン独自のジョイスティックを採用している。アシスト機能のON/OFFのほか、ボタン操作で設計値をオフセットすることが可能だ。
X-53xが採用するGNSS受信機は、米国のGPS、ロシアのGLONASSに加え、日本の準天頂衛星(QZSS)、中華人民共和国のBeiDou、EUのGalileoと様々な衛星測位システムからの信号が受信できる。受信可能な衛星数の増加により上空視界の狭い現場、例えば山間部や高い切土斜面等においても安定した施工に貢献する。
今回、X-53xシリーズにマシンコントロールシステムをラインアップに追加することで、建設業界の抱える人材不足、特に高齢化に伴う熟練技術者の減少という課題の解決にも繋がる。
※1 GNSS受信機やトータルステーションにて取得した測位情報と、本体に取り付けたセンサーにより建機本体の位置をリアルタイムに把握するとともに油圧制御技術を用いることで、設計データに合わせた施工を可能とするシステム。オペレーターの熟練度に左右されず、安定した施工が可能となる。
※2 GNSS受信機やトータルステーションにて取得した測位情報と、本体に取り付けたセンサーにより建機本体の位置をリアルタイムに把握し、設計に対する施工状況を視覚的にガイダンスするシステム。キャビン内に装着したモニターに表示される情報を参照しながら建機を操作することで、設計データ通りの施工が可能となる。
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