IDC Japan株式会社は、日本国内におけるFuture of Workstyle(働き方の未来)(以下、FoW)市場予測を発表した。これによると、2021年の総支出額(一部の重複を含む単純積み上げ額)は4兆5,031億円と推計されている。また、2021年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は17.2%で拡大し、2025年には8兆5,009億円に達すると予測している。
IDCではFoW市場をピラー、ユースケース、テクノロジー、産業などで分類し市場規模を予測している。2022年3月に発行した調査レポートでは、ピラー別の市場規模を中心として、2021年から2025までの各市場規模の予測とその背景について解説している。FoWのピラーは、Space、Augmentation、Cultureの3つに分類されている。各ピラーの定義は以下のとおり。
- Space:場所と時間にとらわれずにつながり、セキュリティが確保された環境で働くこと
- Augmentation:人とテクノロジーが協働すること
- Culture:新しいデジタルツールを使いこなし、エンゲージメントと自律性に富む従業員を育てること
FoW市場のピラーのうち、2021年から2025年の期間中一貫して最大規模を維持すると予測しているのはSpaceである。Spaceの市場規模は2021年に2兆6,784億円に達し、2025年までのCAGRは13.1%で拡大して2025年には4兆3,869億円に達すると予測している。
Spaceの成長を牽引するのはEndpoint Devices(エンドポイントデバイス)とEnterprise Applications(エンタープライズアプリケーション)とのこと。新型コロナウイルス感染症の感染拡大のためノートブックPCやタブレットの需要が増大したと同時に、リモートワークを成功させるためにクラウド型のアプリケーションが一気に拡大したが、今後もEnterprise Applicationsが順調に拡大するとみられる。
Augmentationは2021年には1兆7,242億円に達し、2021年~2025年のCAGRは22.4%で推移し、2025年には3兆8,724億円に達すると見込んでいる。Augmentationの高成長を支えるのはRobotics and Drones(ロボティクスとドローン)で、代表的なユースケースは製造業における生産ラインだが、DXによって生産ライン以外の利用シーンの多様化が進み、Augmentationを牽引するとIDCではみている。
Cultureは3つのピラーのうち規模が最小で、2021年に1,005億円に到達したと推計されている。2021年~2025年のCAGRは3つのピラーの中で最も大きく24.5%と高成長を示し、2025年には2,417億円まで急成長するとみられる。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は「リモートワークの急速な拡大と、以前から熱心に取り組まれてきたDX施策が相まって、Robotics and DronesやEnterprise Applicationsが国内FoW市場を牽引する」と述べている。
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