IDC Japan株式会社は、国内企業400社を対象に行った「2024年 IoT担当者調査」の結果を発表した。
この調査では、IoTに関する目的達成度や、IoTを支えるベンダー、利用されるIoTプラットフォームのユースケースによる違い、新技術の採用やIoTへの投資状況などを調査した。
調査結果によれば、IoTプロジェクトへの投資が増え続けており、特にサプライチェーンや移動貨物管理、小売販売支援、在庫管理での投資増加が目立っている。
2024年のIoTプロジェクトへの投資について、2023年からの変化を問うた質問では、「大きく増加」と「増加」の合計が、サプライチェーンおよび移動貨物管理で69.2%、小売販売支援で67.5%、在庫管理で66.7%となった。
IoT導入が成功している企業の割合は、ユースケースと取り組みの進行度によって大きく異なる。特に製品のIoT化については、取り組みは進んでいるものの目的達成に課題がある企業が多いことが明らかとなった。
製品のIoT化では、2017年以前に取り組みを始めた企業の割合は33.3%で、ユースケースの中では最も高い。
しかし、導入目的をほぼ達成した企業の割合は22.2%で、4番目という結果だった。製品のIoT化は、付加価値を高めて収益を拡大することが目的だが、その成功は容易ではないことが伺えた。
また、企画段階では自社で対応する企業が多い一方、AIシステムの導入など、専門技術を必要とする業務では外部支援を求める傾向があることも判明した。今後は、企画段階でもSIerからの支援を求める企業が増えると見られている。

IDC Japanのリサーチマネージャーである山下頼行氏は、「物流分野での人手不足などを背景に、サプライチェーン/移動貨物管理や在庫管理でのIoTプロジェクトへの投資が増えている。SIerや通信事業者などのIoTプロジェクトの支援企業は、AIシステムの導入支援など専門技術の向上、ユーザー企業が支援を求める企画段階の業務についても、コンサルティング業務を担う人材の採用や育成を通じて支援力を高めるべきだ」と述べている。
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