食品卸売業界において、労働力不足や物流の「2024年問題」への対応が急務となる中、膨大な商品数を扱う発注業務の効率化と標準化は、企業の競争力を左右する重要な経営課題となっている。
食品卸売業の企業である国分グループ本社株式会社では、国内外約10,000の仕入先から約60万アイテムを仕入れ、35,000軒の得意先へ供給しており、多様化するニーズへ低コストかつ安定的に応える体制構築が求められていた。
こうした中、国分グループ本社は、サプライチェーン全体の高度化を図るため、株式会社DATAFLUCTのAIプラットフォーム「Airlake(エアレイク)」を活用したAI需要予測システムを、全国の物流拠点288カ所へ導入完了したと発表した。
同社はこれまで、発注業務を過去の販売実績や担当者の経験や勘により行っており、在庫過多や欠品による販売機会の損失、あるいはそれらをカバーするための突発的な調達業務が発生していた。
今回構築された「国分のAI発注システム」は、社内の販売実績データや気象情報などの外部データを、データ分析・AIエージェント構築を支援する「Airlake」上で統合し、AIが需要を予測する仕組みだ。
同システムは、食品卸特有の複雑な需要変動に対応できる点が特徴だ。汎用的なモデルではなく、日配品、冷凍食品、酒類などカテゴリーごとの細かい粒度で予測モデルを構築している。

さらに、市場の変化に合わせてAIが自動で再学習を行うMLOps(機械学習基盤)を採用しており、常に最新のトレンドを反映した高精度な予測を維持することが可能となった。
また、単なる需要予測にとどまらず、予測結果に基づいて安全在庫を自動調整する機能も連携させた。これにより、自動発注の対象商品が拡大し、欠品率の減少と在庫の適正化が同時に進んでいる。
現場への導入効果としては、発注作業にかかる時間が大幅に削減されたことで、従業員はより付加価値の高い業務へ時間を割くことが可能となった。
また、AIによる標準化が進んだことで、経験の浅い若手担当者でも熟練者と同等の高品質な業務遂行が可能となり、組織としての業務品質安定化に寄与しているとのことだ。
国分グループ本社は、今回のシステム導入により現場の知見とAI技術を融合させ、持続可能な物流運用体制の確立を目指す方針だ。
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