JFEスチール株式会社は、新型自動清掃ロボット「GAZMASTAR-S」を開発し、西日本製鉄所に導入したと発表した。
製鉄プロセスでは、鉄鉱石や石炭などの塊や粉体を含む原料を扱う設備が存在し、その清掃作業は人手によるものであった。しかし、設備周辺の狭い場所や低い場所での重労働となることも多く、粉じん環境下での作業負荷が高いため、自動化のニーズが強かったのだという。
今回導入された「GAZMASTAR-S」は、塊や粉体などの堆積物を含む路面を高効率で自動清掃することが可能だ。清掃場所に応じて清掃機構の一部を交換できるほか、車体が4輪駆動で低重心のため、狭い場所や小さな段差のある場所などで活用することができる。
また、清掃エリアの学習済み障害物マップと測域センサからの現在値情報を比較し、自己位置推定を常時行いながら清掃ルートを自動追従することで、堆積物を清掃する。
さらに、バッテリーが一定の値以下になると自動で充電スタンドに帰還し、ワイヤレスで自動充電する。
多量の粉体にタイヤがはまって動けなくなるスタックへの対策としては、清掃の全体ルートを細かく分割し、各部分ルートの所要時間を監視することで、一定時間以上となったらスタック発生と判定、当該箇所をスキップし次ルートから清掃再開する異常処理機能も開発・搭載している。なお、操作および状態確認は、手持ちのタブレットソフトで行うことができる。
すでに、製銑工程において検証耐久試験を実施しており、今後はJFEスチール全地区の製鉄所内へ展開を進めることで、粉じん清掃などの作業の一部自動化を推進するとしている。
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