株式会社バカンと東京建物株式会社は6月30日、オフィスビルなどのトイレにおいて、IoTを活用して検知した個室の混雑状況や個室内滞在時間状況と連動し、個室内に広告を配信するサービスの実証実験の取り組みを開始した。パーソナルな空間への配信による高い到達率を見込み、本年秋頃の商用化を目指す。
同サービスでは、バカンが展開しているトイレ向け混雑抑制IoTサービス「AirKnock(エアーノック)」を改良した「AirKnock Ads(エアーノックアッズ)」を用いる。AirKnock Adsでは、トイレ個室の壁面に10インチのタブレットを設置し、個室の利用が始まると約30秒の動画広告を複数本再生する。
トイレ全体が混雑している場合などは再生本数を制限し、代わりに個室外の混雑状況や個室滞在時間を表示することで、個室内の長時間滞在者の自主的な退出とトイレの待ち時間の低減を図る。個室の利用状況は、個室ドアなどに設置したセンサーなどを用いてデータを取得、判定する。
今回は、東京建物が運営する1フロア約1,500坪のメガプレートを持つ大型オフィスビル「中野セントラルパークサウス」の数フロアにAirKnock Adsを設置する。
トイレ個室への動画広告配信は、高い到達率やターゲティング精度が期待される一方、昨今課題となっているトイレ混雑の助長が懸念され、商用化が難しい領域とされていた。今回の実証実験では、バカンがもつさまざまな技術やノウハウから生み出した特許技術(出願中含む)を多数用いることで、従来の課題を克服しようとするものだ。
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