クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AI等の急速な進展により、デジタルトランスフォーメンションによるスマートワールドの展開が世界的に進みつつある。スマートワールドにおいては、あらゆるデバイスや設備が混在しデータの利活用が進むことで、物理空間とサイバー空間が融合するが、日々巧妙化するサイバー攻撃の影響はサイバー空間に留まらず、リアル社会における経済活動や人命にも大きな影響を与えるリスクがある。
例えば、スマートシティ等で活用するWebカメラ等のIoTデバイスに対するセキュリティ攻撃関連通信は、日本においてサイバー攻撃関連通信全体の約半数を占めており、万が一IoTデバイスが取り扱うデータの改ざんやなりすましが発生した場合、街全体の機能不全に繋がる恐れがある。
また、スマートエネルギーやスマートヘルスケア等で利用するエネルギー設備や医療設備は、従来、閉じたネットワークにて運用しているケースが多いが、スマート化によりこれらの設備が相互接続することで新たな付加価値を提供できる一方で、セキュリティ上のリスクは高まり、サイバー攻撃を受け、誤動作を起こした場合、エネルギーの安定的な供給や人命に大きな影響を与える可能性がある。
これらの社会課題を解決するために、日本電信電話株式会社(以下、NTT)とセキュリティソリューションを展開するTanium, Inc.は、スマートワールド(スマートシティ、スマートビル、スマートエネルギー、スマートヘルスケア等)を実現するために必要不可欠なIT/IoT/OTが混在する環境におけるセキュアで信頼性の高いソリューションの提供を目的とした戦略的提携に向け合意した。同提携の詳しい概要は以下の通り。
- 脅威情報による効果的かつ効率的なITセキュリティ管理の提供
- スマートシティ分野等におけるIoT/OT向けセキュリティソリューションの展開
日々世界中で猛威を振るう新たな脅威に対抗するために、企業は最新の脅威情報を世界中から収集し、瞬時に自社環境への影響を把握する必要がある。
今回、Taniumが持つIT資産の状態を短時間で可視化してソフトウェアやパッチを配布・適用可能な技術と、NTTが持つグローバル規模で収集した脅威情報やセキュリティ分析力を連携し、NTTは次世代型のマネージドセキュリティサービスを2020年度下期より提供開始し、段階的にグローバルに展開する予定とした。
スマートシティやスマートビル等のセキュリティを確保するため、NTTが開発したIoT/OT環境向けのセキュリティ異常検知技術を搭載したセキュリティGWとTaniumの端末管理技術が連携する仕組みを実現する。
この仕組みを活用し、両社はスマートシティやスマートビル環境の管理者が敏速にIoT/OTデバイスの状態を把握し、当該デバイスにて発生する不正通信に対して異常検知や遮断等を実現するソリューションをグローバルに展開していく。なお、NTTにおいては2020年度下期より提供開始予定だ。
さらに、両社はNTTが戦略的に推進しているスマートエネルギー事業やスマートヘルスケア事業と連携し、災害時の停電対応といった耐災性(レジリエンス)向上やAIを活用した効果的な医療支援の提供などを安心安全に実現するために、新たなセキュリティソリューションを共創していく。
同提携により、両社はスマートワールドにおいて面的に広がるあらゆるデバイス・設備を可視化し、セキュリティを確保した適切な管理を行うソリューションを広くグローバルに共同展開していく。
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