新型コロナウイルスの影響による外出自粛要請や生活様式の変化にともない、小売業・飲食業・観光業などにおける事業継続は、大変深刻な経済問題、社会課題となっている。
日本ユニシス株式会社は、ブロックチェーン技術を活用した、耐改ざん性や追跡可能性のある「権利移転」ビジネスに着目してきた。2018年には、ブロックチェーンによる電子チケット(電子バウチャー)の社会実証実験を喜多方市で実施し、2019年にはブロックチェーンによる電子チケットの観光周遊サービスの運用を大阪市で行ってきた。
そして今般、これまでの実証実験や運用で得られた知見に基づき、新型コロナウイルスの影響を受けた小売業・飲食業・観光業などの事業者が事業継続する上での資金調達支援のための電子チケット流通サービス「Kimaticke」を提供開始し、2020年12月まで無償で提供することを発表した。
Kimatickeは、ブロックチェーン技術を使って、事業者が提供する電子チケットをいつでも・簡単・安全に発行でき、生活者や来訪者の送客や地域周遊を実現する社会基盤サービスである。企業が生活者に提供する「モノ商品」や「コト商品」の権利証を、イベント参加券や共通券、クーポンなどさまざまな券種で、店舗自らが電子チケットとして生活者へ発行することができる。
生活者はスマホなどで取得した電子チケットを店舗で提示することで、商品の受け取りやサービスを利用することができるほか、生活者間での電子チケットの授受が可能だ。この授受する機能はAPIで提供される。紙の発券は不要で、利用から譲渡まで全てスマホアプリで完結する。
また、複数の異なる店舗が発行した電子チケットを組み合わせたパッケージチケットとして販売することができるほか、異なる券種を組み合わせることも可能だ。
さらに、ブロックチェーンの耐改ざん性により発行者の証明や権利所有を担保する。トークンに記録された電子チケットの流通経路(発行、利用、譲渡など)を把握することもできる。
具体的な利用モデルは以下のとおり。
- .事業継続のための資金調達
- 商品の平等供給
- 自粛後の地域復興
生活者が「先買いチケット」を購入することで、お店の資金調達が容易になる。
買占めや在庫不足で商品の購入ができない生活者に「商品引換券」を配布することで、平等な商品提供を実現する。
クーポンや地域商品券を観光客誘致用の「プレミアム商品券」として販売することで、地域の経済復興につながる。
同サービスを導入することで周辺施設とコラボレーションした企画チケットが容易に発行できるため、商業施設や地域の特長を活かした付加価値の提供や併売促進、周遊促進が期待できる。また、チケットの利用や譲渡などチケットの流通経路を可視化できるため、マーケティングデータの収集や活用に繋げることができる。
なお、Kimatickeの名称は、「君(キミ)の街(マチ)のチケット」の頭文字からつけたもので、チケットを媒体としてつながる「生活者とお店と街や地域のコミュニティ」を意図しているという。
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