日本では地震、風水害、火山噴火といった多くの災害リスクを抱えており、国や地方自治体は災害に強い国づくり・地域づくりを推進している。多くの自治体では災害発生前後の状況を遠隔で確認するために地図ソフトウエアやカメラシステムなどを導入し災害発生時の意思決定に活用している。これらのシステムで利用されるカメラは、災害状況を把握することを目的に高所に設置され周辺地域を見渡すことができる。
一方、映像が広範囲なためどの方面を見ているのか特定が困難な場合が多く、また操作が複雑なことから目標地点の映像表示に時間を要するなど、正確な情報収集を迅速に行うことが課題となっている。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、ジオテクノロジーズ株式会社が提供する業務用地図アプリケーション開発キット「MapFan SDK for Windows」と連携した「カメラ地図連携アプライアンス」の提供を開始した。
同アプライアンスは、キヤノンITSが開発した機能により、地図上の任意の地点を選択すると、カメラの設置場所から選択地点までの距離や高さを計算して最適なカメラ映像を表示するほか、カメラの現在の撮影方角を地図上に表示し、ズームに応じて撮影範囲の形を自動的に調節し表示することができる。また、インターネットに接続しないオフライン環境においても、システムを導入することができる。
さらに、画面上から検索した住所に向けてカメラを制御でき、複数台同時に制御も可能だ。最大48台まで地図連携対象外カメラも含めて登録できる。そのほか、アプライアンスのHDDに録画を保存し、保存された録画を再生することもできる。
また同アプライアンスは、事前にソフトウエアがインストールされた機器を提供される。企業は同社提供のツールを使ってカメラ登録や位置調整を実施すればすぐに利用が可能だ。なお、提供製品と同一のソフトウエアやアプリケーションが導入されたデモ用のノートパソコンを一定期間無償で貸し出し可能なため、導入前の動作確認などに利用できる。すでに映像管理ソフトウエア(XProtect)を利用している場合は、クライアントオプションのみの追加購入により地図連携を利用できる。
これらの機能により、災害時の正確な情報収集と意思決定の迅速化に貢献するとともにセキュアな環境を構築することで、国や地方自治体の防災活動を支援する。
今後は、登録したスマートフォンの位置情報を地図上に表示する機能やカメラが向いている方向の住所を画面上に表示する機能などの実装を予定しているとのこと。
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