防災コンソーシアムCORE、ドローンとスマホアプリを用いた家屋被害調査サポートサービスを開発へ

自然災害発生時には、損害保険会社による被害調査や、自治体における各種調査や申請支援などの業務が発生するが、自然災害の激甚化や広域化、人手不足等により、被災者への初動対応・早期復旧に関わる対応が逼迫するケースが発生している。

特に、自治体の罹災証明書の発行業務については、限られた人員の中で被災状況の調査から証明書の発行までを行う必要があり、被災者の生活再建に遅れが生じているという課題もある。

そうした中、株式会社NTTデータ、応用地質株式会社、東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)、日本電信電話株式会社(以下、NTT)、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(以下、MDIS)の6社は、防災コンソーシアムCOREの分科会において、デジタル技術を活用した生活再建支援に取り組んでいる。

そして本日、技術実証を通じ、ドローンとスマートフォンアプリを活用し、家屋被害状況を収集する「家屋被害調査サポートサービス」の開発に取り組むことを発表した。

「家屋被害調査サポートサービス」は、水災時における自治体業務の効率化・省人化を支援し、罹災証明書の発行を支援していくため、ドローンとスマートフォンアプリを活用した水災時の家屋の被害調査を行うサポートサービスだ。

ドローンによる調査の対象エリアは、山間部や二次被害が想定され人手による調査が困難・危険なエリア、大規模災害時等の広域な被害エリアで、ドローンで撮影した浸水深の測定結果、家屋被害状況の3D写真を提供する予定だ。

ドローンによる調査を導入することで、山間部や人が簡単に踏み込めないエリアに対しての、家屋被害の効率的な調査を実現する。従来こうしたエリアでは、罹災証明書の発行において時間を要していた事から、今後は罹災証明書の発行までの時間短縮が期待されている。

スマートフォンアプリによる調査の対象エリアは、密集した市街地や局地的な早期計測が必要なエリアで、スマートフォンアプリ(LiDARカメラ)で撮影した浸水深の測定結果、家屋被害状況の写真を提供する予定だ。

防災コンソーシアムCORE、ドローンとスマホアプリを用いた家屋被害調査サポートサービスを開発
スマホアプリを用いた計測のイメージ

スマートフォンアプリによる調査を導入することで、密集した市街地や局地的な早期計測が必要なエリアに対しての、家屋被害の効率的な調査を実現する。従来のアナログな測定だけではなく、デジタルを用いた新たな家屋被害調査を実現することで、罹災証明書の発行までの時間短縮が期待されている。

なお、被害調査サポートサービスの設計にあたって、2022年12月に6社で技術実証が行われ、技術面の有効性が確認されている。

技術実証では、実際に浸水跡のついた建物を対象とし、「従来の職員によるポールやメジャー等を使った目視判」「ドローンによる計測」「スマホアプリを用いた計測」の3種類の手法で浸水深の計測を実施。計測後にそれぞれの計測での誤差を確認し、ドローンやスマホアプリによる計測の検証を行った。

防災コンソーシアムCORE、ドローンとスマホアプリを用いた家屋被害調査サポートサービスを開発
ドローンを用いた計測。ドローンから家屋2件を写真撮影したうえで、3次元モデルを作成し、浸水深を計測。なお精度、撮影~解析処理にかかる時間の違いから3パターンについて検証を実施。

その結果、ドローンやスマホアプリでも浸水跡が判定でき、正しく、効率的に浸水深を計測することができたという。

今後は、分科会の参画企業とともに査定技術の向上、自治体との情報連携のデジタル化に向けて、検討を進めていく予定だ。

まずは、2023年度中にドローンやスマホアプリを使った浸水深の測定について、茨城県での試験的な導入を行い、2024年度からは他の自治体への展開も検討される。

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