過疎化が進む地方自治体の他、点在する宿泊・レジャー施設をつなぐように水道管が敷設された広大なリゾート施設では、水道管の修繕費用など水道インフラの維持に関する課題がある。
ソフトバンク株式会社、WOTA株式会社、東急不動産株式会社および東急リゾーツ&ステイ株式会社の4社は、東急不動産が保有し東急リゾーツ&ステイが運営するリゾート施設において、全生活排水を再生循環するWOTAの「小規模分散型水循環システム」を設置し、水道インフラに依存しない新たな分散型水供給システムの構築に向けた実証を開始した。
小規模分散型水循環システムは、WOTAが開発する水再生システムで、排水を欠かさず回収し、膜処理や生物処理、殺菌処理などにより、再生、安全に循環利用することができる。独自開発の「水処理自律制御システム」を用い、生活排水の変動に対し水処理を柔軟に制御することによって、大規模処理場レベルの高度管理を実現し、WHO(世界保健機関)基準の細菌・ウイルス除去率での水安全を維持した上で、さまざまな生活排水の再生に対応している。
同実証の最初の取り組みとして、2023年5〜7月(予定)に千葉県市原市にあるゴルフ場「鶴舞カントリー倶楽部」のコース内(1カ所)にWOTAの小規模分散型水循環システムを設置し、まずはトイレの排水の再生循環利用を行い、運用方法や可用性を検証する。その後、「東急リゾートタウン蓼科」をはじめとしたリゾート施設でWOTAの小規模分散型水循環システムによる全生活排水の再生循環利用を行い、利用者の受容性や安定的な運用方法を検証する予定としている。
検証結果を踏まえて、将来は、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設にWOTAの小規模分散型水循環システムを展開し、水道インフラに依存しない新たな水供給システムを構築して水問題の解決を目指す。
同実証において、ソフトバンクは取り組みの全体統括、通信環境の提供、実証に関するサポート(センサーの提供など)、WOTAは小規模分散型水循環システムの提供および運用・管理、関連データの収集・分析を行い、東急不動産、東急リゾーツ&ステイは実証フィールドの提供、小規模分散型水循環システムの設置工事を担当する。
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