近年、豪雨による浸水被害や河川の氾濫が頻発しており、堤防の越水や決壊の状況、周辺地域への浸水状況などをいち早く把握し、迅速に災害対応を行うことが求められている。また、流域内で活動を行うさまざまな企業等においても、各社の店舗や事業施設に対する災害時対応の迅速化に必要な浸水状況の速やかな把握や、住居等の浸水被害に対する迅速な保険金支払い等の企業活動に必要な浸水データを入手する仕組みへのニーズが高まっている。
国土交通省水管理・国土保全局では、浸水の状況を面的にいち早く把握するため、小型・低コスト・長寿命で、多数の箇所に設置が可能な浸水センサを国・地方自治体・企業等の流域内のあらゆる関係者で連携して設置し、検知情報を集約するプラットフォームを整備するなど、浸水情報をリアルタイムで収集・共有する仕組みの構築を目的として、令和4年度より「ワンコイン浸水センサ実証実験」の取り組みを進めている。
京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)とマスプロ電工株式会社は、ワンコイン浸水センサ実証実験に参加しており、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長とするグローバルIoTネットワーク「Sigfox」を活用した浸水センサを共同開発し、6月から実証実験に参加するモデル自治体等に設置した。
同センサは中継器等のネットワーク設備や設置工事が不要な小型の端末で、結束バンド等で容易に取り付けることができる。コイン電池で約3年間稼働し、外部電源からの給電も不要だ。
なお利用価格は、同センサ本体が1台あたり3,900円、通信費が1台あたり年額500円~となっている。別途、アプリケーション利用料が発生する。
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