静岡県裾野市、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、スマート道路灯とローカル5Gを活用して、速度超過車両や歩行者の車道侵入検知などを行う実証実験を実施する。なお、この実証は、総務省の令和5年度地域デジタル基盤活用推進事業に採択されて実施するものだ。
NTT Comは、2023年2月~3月に、裾野市内でスマート道路灯を活用したLED照明による路面描画で、ドライバーへ路面凍結の注意喚起を行う実証実験を実施した。この実証実験を通じて、路面描画機能により一定の車両の減速に繋がる行動変容が確認できたことから、今回発表された実証実験を行うこととなった。
今回発表された実証実験では、市道にある既設の複数の道路灯をスマート道路灯化し、ローカル5Gに接続することで、道路灯に搭載された筐体組込み型AIカメラや環境センサーから取得したデータを利活用する実証を行う。

具体的には、裾野市立南小学校および児童館前の市道1721号線に、設置済の4台の道路灯をスマート道路灯化し、AI画像認識による速度超過車両の検知と、路面描画および電光掲示による注意喚起を実施する。
また、委託先企業のクローズドコースにて、車道への人の侵入検知や、各種環境センシング情報の可視化とデジタルツインプラットフォーム上での概念検証の実施し、スマート道路灯からの高画質映像転送による遠隔映像監視機能の実装を行う。
そして、実証前と実証中の速度超過車数の減少割合をAI画像認識機能より抽出し、NTT Comのデザインスタジオ「KOEL」により、スマート道路灯活用ユースケースの受容性を検証する。
さらに、デジタルツイン技術を用いて、裾野市の都市モデルをデジタル空間に構築する。また、スマート道路灯から取得できる各種センシングデータの都市モデル上での可視化も行う。
今後NTT Comは、実証を踏まえスマート道路灯の商用化を図り、裾野市を含め、他地域の事故多発箇所への水平展開を進める予定だ。また、特に自治体で需要の高い道路灯の省エネ化を実現するため、スマート道路灯の自動調光技術を活用して、電力効率化を行う機能の開発も検討する。
中長期的には、人の流れや施設内外の情報、ロボットなどのモノの情報などのデータを融合できるプラットフォーム「Smart Data Platform for City」のエッジデバイスとして活用していくことを目指すとしている。

なお、2023年10月12日~13日に開催される「docomo business Forum’23」にて、今回の取り組みを紹介する予定だ。
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