香港のRice Roboticsが開発した自律走行型搬送ロボット「RICE」は、周囲の状況に応じて自動で速度を変更することができ、人や障害物を感知すると自動で停止・回避を行うことで安全性に配慮している。アプリのカスタマイズやシステムとの連携が可能で、例えばエレベーターと連携することでフロアを移動して配送を行うこともできる。
このほど、RICEの販売代理店であるアスラテック株式会社は、日本郵便株式会社が2021年2月末~3月下旬まで実施予定の物流分野での配送ロボットの活用に向けた配送試行にRICE5台を提供した。
この配送試行は、セキュリティーマンションなどの屋内でのラストワンマイル(配送拠点からユーザーに荷物が届くまでの区間)配送におけるロボットの可能性を検証するために実施するもので、検証に用いる配送ロボットとしてRICEが採用された。
同検証では、マンション居住者宛ての荷物等を配達員がマンションの入り口まで配送し、マンションの入り口から受取人の住戸の玄関までの配送をRICEが行う。配送の際にRICEはマンション内を自律で走行し、障害物や人などに接触しないように回避しながら移動を行うことができる。RICEが配送先となる住戸の玄関に到着すると、受取人のLINEに到着の連絡とRICEから荷物等を取り出すためのパスワードが通知され、荷物等の受け渡しが可能となる。
また、受取人が不在のときはRICEは荷物等を保持したまま一度マンション内の待機場所へ戻り、受取人から依頼があったタイミングで再配達を行うことができる。
さらに、エレベーターと連携したフロア間の移動にも対応している。エレベーターを使ったRICEのフロア間の移動については、居住者と一緒にエレベーターに乗り込んだり、エレベーター内の人数が多いときは先に居住者に移動してもらい、再度エレベーターを呼び出したりするなど柔軟な運用が可能とのこと。
同検証においてアスラテックは、RICEの提供とともに配送試行向けロボットアプリケーションの開発などのサポートを行う。複数台のRICEを用いることで複数の宛先の荷物を同時に取り扱えるようになり、さまざまな利用シーンを想定した本格導入時に近い形での検証を行うことができる。例えば、ある機体が再配達のために荷物を保持して待機している間でも、他の機体によってマンションに新たに届いた荷物等を配送するといったことが可能としている。
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