花王株式会社は、株式会社豊田自動織機との協業により、少量多品種を生産する豊橋工場の次世代倉庫内の現場環境において、「自動運転フォークリフトによるトラックへの積み込み作業の実用化」に成功したと発表した。
豊橋工場では、ヘアケア・スキンケアなど少量多品種の製品を生産している。2023年3月に次世代倉庫が完成し、工場から製品を入庫、仕分け、出庫するまでを自動化していた。
しかし、出庫後のトラックへの積み込み作業は、荷物やトラックの都度異なる規格への対応や停止位置の誤差調整、長距離輸送に耐えられる荷崩れ防止の養生も必要なことから、人の経験を活かしたフォークリフト運転技術が必要であった。
そこで花王では、積み込み作業の自動化に向けて、2021年より豊田自動織機と協働を開始。今回2024年7月に、路面や柱などの周辺環境に特別な工事や機器設置をしない半屋外環境下において、実際のオーダや製品で積み込み作業を自動運転フォークリフトで実施する「自動運転フォークリフトの実用化」に成功した。
具体的には、豊田自動織機が開発した「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」を採用し、3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、AIを搭載することで、画像認識・ディープラーニングによるマーカレスでのパレット位置・姿勢検出を行う。
荷役位置を自動で判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成するため、トラックの停車位置や積荷の姿勢が一定でない状況下においても荷役の自動化が可能となる。
花王は、自動化をかなえるロボットフレンドリーな倉庫環境の構築と、製品入庫からトラックへの積み込みまでを自動化するオペレーション設計を行った。さらに、トラック輸送にも対応した業務プロセスの構築や倉庫内の設備を制御するITシステム(WCS)との連携を行った。
なお、実用化に成功した自動運転フォークリフトは、2024年10月に本格導入し、日常的に稼働する予定だ。これにより、製品入庫からトラックへの積み込みまで完全自動化された倉庫が実現するとのことだ。
また、自動運転フォークリフトは次世代倉庫だけでなく、国内外の花王グループの生産・物流拠点への導入も検討するとしている。
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