出光興産株式会社は、ガソリンや灯油・軽油などの石油製品を製造するため、原油を輸入しており、原油輸送に用いる外航船の配船計画を立案する際には、製油所のニーズに加え、港や船などの細かな制約条件も考慮する必要があった。
これまでは、熟練した担当者が複雑な条件を考慮しながら原油輸送コストを抑えた配船計画を立案していたが、膨大な時間がかかることが課題であった。
こうした中、出光興産は、原油外航船の配船計画立案に、特定のルールがある中で成果を最大化する方法を見つける数理最適化を組み入れたシステムを導入した。
このシステムは、株式会社エクサウィザーズと共同開発されたもので、必要となる条件を満たしたうえで原油輸送コストを最小化する配船計画を立案する。
配船担当者はシステムが立案した配船計画を確認し、必要に応じて微修正を行うことで配船計画を作成することが可能になった。

なお、システム導入にあたり行った実証試験では、同システムの活用により、配船計画の立案にかかる作業時間を最大40%削減したとのことだ。
また、寄港数の削減などにより、年間で数億円規模の原油輸送コスト削減が見込まれている。
今後は、同システムの機能の強化により、さらなる効率化を推進するとしている。
また、外航船による原油輸送だけでなく、国内における石油製品の配送を担うタンクローリーや、製油所・油槽所間の内航船による輸送業務においてもデジタル技術を導入し、計画の立案業務や物流の効率化によるコスト低減に取り組む計画だ。
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