地域社会における独居高齢者は年々増加するとともに、地域コミュニティの希薄化などにより社会参加が減少し、孤立しやすい状況が顕著になっている。
一方で、地域包括支援センターや民生委員、介護福祉事業者や自治会など、高齢者を見守る側の高齢化や人材不足などが深刻化している。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、社会環境も大きく変化し、離れた家族間でも気軽に会いにいけない状況となり、「高齢者の見守り」に新しい課題が顕在化している。
これらの3つの課題解決に向けヤマト運輸株式会社では、2020年6月から東京都多摩市で、ハローライト株式会社が開発した、外部との通信が可能なIoT電球「HelloLight」を活用した見守りサービスの実証事業を実施してきた。
同実証事業において、同サービスの実効性や個人の利用ニーズなど、一定の有用性が確認でき、他自治体からの導入の要望が多く寄せられたことから、提供エリアを拡大することにしたという。
同サービスは、サービスの利用を希望する設置先の宅内にヤマト運輸がIoT電球「HelloLight」を設置する。宅内に設置した電球が一定時間ON/OFFしない場合、利用者が指定した通知先、ヤマト運輸のネコサポサービスセンターへ自動的に異常検知のメールが発信される仕組みだ。
異常検知のメールを受信後、通知先は利用者に連絡をとり、その際に連絡が取れなかった場合は、ネコサポサービスセンターに連絡することで、ヤマト運輸のスタッフが利用者の自宅を訪問する。万が一、応答がない場合や異常を感じた場合は、高齢者向けの相談窓口である地域包括支援センターなどに連絡し、状況を通知先に報告を行う。
同サービスは、全国の個人や法人、自治体を問わず、利用可能で、利用料金は電球1個あたり月額980円(税抜)となっている。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。