IDC Japan株式会社は、国内ITサービス市場予測を発表した。
これによると、2022年の国内ITサービス市場は、既存システムの刷新およびクラウド移行、企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大に伴う支出が牽引し、6兆734億円となった。2023年以降も堅調に推移し、2027年には7兆177億円になる見通しだ。
2022年の国内ITサービス市場は、上半期に半導体および部材不足や、中堅中小企業の支出回復の遅れなどが影響したものの、下半期はこれらが徐々に改善に向かった。
既存システムの刷新およびクラウド移行や、モダナイゼーションを含む企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大により、前年比3.3%増のプラス成長となった。
2023年の国内ITサービス市場は、世界的なインフレーションや景気後退懸念といった先行きの不透明感の増大に伴い、ITサービス投資抑制の影響が懸念される。
しかし、半導体および部材不足による製品の調達遅延に伴う、ハードウェア関連サービス市場へのマイナス影響の段階的な解消に加え、デジタルビジネス化を図る国内企業のシステム刷新および新規システム構築の需要に支えられ、堅調な成長を継続するとIDCはみている。
2024年以降は、既存システムの単純なクラウド移行型案件から、ITアーキテクチャのモダナイゼーションなどを含めた、より本質的な企業全体のデジタルビジネス化に関わる支出が牽引し、プロジェクトベースを中心に継続的に市場が拡大するとしている。
これらの状況から、2022年~2027年の年間平均成長率は、2.9%で推移するとIDCは予測している。
2027年までの国内ITサービス市場は、従来型システムの構築や運用および保守の市場が減少する一方、クラウドへの移行支援、インフラストラクチャおよびアプリケーションのモダナイゼーションの支援、顧客企業のデジタルビジネス化に向けた新たなシステム構築と運用の支援が拡大し、サービスの内容面でのポートフォリオを大きく変化させながら、全体としては堅調な成長が続くとしている。
IDC Japan株式会社 Software & Servicesのグループマネージャーである植村 卓弥氏は、「ITサービスベンダーは、従来型のITシステムの比較的単純なクラウド移行支援から、インフラストラクチャおよびアプリケーションのモダナイゼーション、顧客企業のデジタルビジネス化に向けた新たなシステムの構築と運用の支援へとサービスポートフォリオの軸足を移していく必要がある」と述べている。
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