IDC Japan株式会社は、国内の従来型携帯電話およびスマートフォン端末の2023年第1四半期(1~3月)の出荷台数を発表した。
これによると、2023年第1四半期における国内市場の従来型携帯電話およびスマートフォン端末の合計出荷台数は、前年同期比23.6%減の775万台となった。また、スマートフォンの出荷は759万台(前年同期比23.7%減)となった。OS別では、iOSが前年同期比13.1%減となる417万台、Android系が同33.6%減となる342万台となった。
経済環境の悪化により世界的に需要が減退し、在庫過剰となっているが、国内でも同様に各通信キャリアで在庫が溜まっている状況だ。そのため当該四半期においても在庫調整が進められている状況が続いており、前年同期比で大幅減となった。
OS別で見ると、iPhoneは前年同期比10%超の落ち込みとなったが、昨年の出荷が好調であったことも影響しており、出荷量で見た場合は決して悪くない結果とIDCは見ている。
ただ、最近のiPhoneの販売傾向は、ディスカウントされた型落ちモデルや、ストレージサイズが小さい比較的安価なモデルに偏っている。iPhoneは世界的には256GBモデルが主流となりつつあるが、日本は128GBと64GBのモデルで出荷の8割を超える状況であり世界的なトレンドとは異なっている。
次いでAndroidは、キャリアによる在庫調整の影響を大きく受けた。また出荷の中身も低価格モデルが中心となっている。ストレージサイズもiPhone同様に世界のトレンドから外れており、未だに出荷の中心は64GBモデルだ。
当該四半期をベンダー別で見ると、アップルは53.8%でトップ、前年同期比で6.5ポイント上昇した。2位は100万台を出荷したシャープ(シェア12.9%)、3位は63万台を出荷したFCNT(同8.1%)、4位に58万台出荷の京セラ(同7.5%)、5位は45万台出荷のサムスン(同5.9%)となった。
IDC Japan Consumer Devices Data&Analyticsのマーケットアナリストである井辺将史氏は「2023年第1四半期は前年同期比大幅減となったが、昨年が好調だった反動であることから、出荷量で見ると悪い状況ではない」と述べた。
続けて「しかし、出荷の中心はローエンドモデルやストレージサイズの小さい低スペックモデルである。このような出荷状況が続けば、ベンダーの収益性が悪化するだけでなく、スマートフォンを通したサービスやアプリケーションの展開にも影響を与えることが想定される。我々の生活におけるスマートフォンの重要性は高まっているが、その流れに日本は取り残されることになるかもしれない」とコメントした。
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