Salesforceは、製造業界向けのAIエージェント「Agentforce for Manufacturing」を発表した。
「Agentforce for Manufacturing」は、Manufacturing CloudやField ServiceなどのSalesforceといった既存のアプリケーションにエージェント型AIを導入し、プロセスを自動化するソリューションだ。
Data CloudとAtlas推論エンジンを基盤とし、ERP、現場のナレッジベース、アセットのIoTシステム、外部ウェブサイトといった多様なソースからリアルタイムデータを取得。これを基に、AIエージェントが自律的に状況を判断し、自然言語での対話を通じて具体的なアクションを実行する。
また、売上、サービス、在庫管理など、ROIの高い領域に焦点を当てた事前構築済みの業界特化のテンプレートを提供する。
さらに、製造業固有のデータモデル、プロセス、用語を学習済みのため、SalesforceのAtlas推論エンジンが業界の文脈を理解し、ハルシネーション(AIが誤った情報を生成する現象)を抑制した回答とアクションを提供する。
セキュリティに関しては、データの保護、不正使用の防止、偏った応答の削減を目的としたローコードのガードレールとセキュリティツールを内蔵している。
具体的なユースケースとしては、販売実績と計画の乖離を常時監視し、乖離が大きい場合に警告やアクションプランを提案するといったことや、 営業担当者と顧客の対話中にAIが在庫状況をリアルタイムで照会することで、ニーズに応じた在庫の自動補充や関連アクセサリのアップセル提案を行うといった例が挙げられている。
すでに「Agentforce for Manufacturing」を導入したJPW Industriesでは、従来16〜24時間要していた手動での注文処理を1時間未満に短縮し、作業量を15%増加させるとともに、ケース解決時間を40%近く短縮したのだという。
Salesforceの自動車および消費財部門製造担当SVP兼GMのアチュート・ジャジュー氏は、「製造企業に必要なのは、導入初日から価値を生み出すデジタルのAIエージェントだ。我々は、製造業の具体的な課題を理解した即戦力のAIを提供し、チームと協力して迅速に成果を実現する」と述べている。
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