輸入業務を行う荷主企業において、コンテナやB/L(船荷証券)の単位ではなく、商品名や品番といった「商品単位」でいつ何が届くかを正確に把握することは、欠品の防止や倉庫の入庫段取りを行う上で不可欠である。
しかし、輸送中にある洋上在庫を可視化するためには、取引先から送られてくるInvoice(仕入書)を目視で確認しながら、Excelなどに手入力して自社システムに転記・アップロードする必要があり、取り扱う品目数が多い企業ほど膨大な工数と属人化が課題となっていた。
こうした中、株式会社Shippioは2026年8月4日、同社の貿易プラットフォーム「Shippio Platform」において、InvoiceをAI-OCRで読み取り、そこに記載された商品情報を「輸送中の商品」として自動登録する新機能の提供を開始した。
「Shippio Platform」は、クラウド上で貨物船トラッキング、見積もり・発注、貿易書類の一元管理、関係者間での情報共有、チャットコミュニケーションなどが可能な、貿易DXを推進する貿易プラットフォームだ。
同社はこれまで、「Shippio Platform」にて、2025年4月より船荷証券(B/L)、同年8月よりInvoice・Packing List(梱包明細書)のAI-OCR機能を提供してきた。
今回ここに、貿易書類であるInvoiceをアップロードすることで、AI-OCRが商品名や数量などの詳細情報を高精度にデータ化して自動登録し、Excelによる手入力や二重管理を排除して「どの商品が、いつ、どの港に届くのか」を商品単位で一元的に可視化する機能が追加された。
具体的には、Invoiceをシステムにアップロードすることで商品情報が自動作成され、従来のExcelやCSVファイルを手作業で作成してアップロードする手間が不要となる。
さらに、AIが読み取った情報を自社の商品マスタと自動で照合し、表記の揺らぎを吸収して商品コードと自動突合する機能を備えている。
登録された情報は「輸送中の商品」としてリアルタイムにビューに反映されるため、営業担当者が顧客から「自分の担当する商品がいつ届くか」と問われた際にも、B/L番号やコンテナ番号ではなく、具体的な商品名や品番、案件名で直接確認できるようになる。
これにより、営業から貿易担当者、さらには倉庫やセンタの受け入れ側に対する部門間の個別の確認作業や問い合わせが削減される仕組みだ。

また、同機能は単なる書類のデータ化にとどまらず、サプライチェーンマネジメント(SCM)全体の高度化に寄与する。
具体的には、Shippioが提供する本船動静トラッキング機能と組み合わせることで、商品の正確な到着予定日をリアルタイムに把握することが可能となる。
万が一、台風やストライキなどによる船の遅延、港湾の混雑といった突発的なトラブルが発生した場合でも、影響を受ける船に積まれている商品や、関係する営業担当をシステム上で即座に特定できる。
これにより、欠品や過剰在庫を未然に防ぐための代替手段の検討や、倉庫への入庫優先順位の指示などをデータに基づいて迅速に下せるようになり、企業の有事における事業継続性の向上を支える。
Shippioは今後、Invoiceにとどまらず、Packing List(梱包明細書)に記載された商品情報の自動反映への対応拡張も予定しており、商品単位でのトラッキングおよび可視化の精度をさらに引き上げていく方針だ。

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