ダイハツ工業株式会社は、株式会社Sapeetが提供する生成AIロールプレイングサービス「SAPI ロープレ」を自社専用の営業研修基盤としてOEM導入し、2026年8月27日より全国の販売会社50社超・約5,000名のスタッフを対象に展開を開始した。
今回の取り組みは、メーカ本部による統一された営業指針の配信と各販売会社の実態に即した現場調整を融合させ、AIアバターとの商談対話を通じて、全国規模での接客品質の向上と教育コストの削減、データ駆動型の人材育成基盤構築を目指すものだ。
ダイハツ工業が営業研修基盤の刷新に踏み切った背景には、全国の販売店舗において、顧客一人ひとりに寄り添った質の高い応対力を平準化して提供したいという意図があったのだという。
自動車の販売現場では、顧客との日常会話や丁寧なヒアリングを通じてニーズを的確に捉え、一人ひとりに適した車種や購買プランを提案して着実に成約へ繋げるプロセスが求められる。
しかし、従来の研修体制では、多忙な店舗現場で十分なトレーニング時間を確保することが難しく、指導者の熟練度による質の不均衡や、スキル習得状況を客観的に把握できない運用が障壁となっていた。
そこで同社はこれらの課題に対し、学習機会の「量」の拡大と、ヒアリング・提案力という「質」の双方を底上げしつつ、教育プロセスのデジタル化による効率化と可視化を同時達成するため、生成AI技術を活用した専用研修環境の構築を決定した形だ。
研修基盤の中心となるAIアバターは、高速な応答レスポンスと自然な抑揚を備えており、関西弁や博多弁といった地域特有の方言の演じ分けにも対応する。
さらに、「残価設定型クレジットの仕組みを詳しく知りたい顧客」といった具体的な顧客ペルソナを設定することで、リアルな商談空間を再現し、営業スタッフの実践的な対応力を鍛えることが可能となった。
また、システムに搭載された「シーン作成AI」機能により、プログラミングやAIに関する高度なスキルを持たない現場の担当者であっても、AIとの自然言語対話を通じて顧客属性や商談目的、評価軸を設定したロープレシナリオを作成できる。
加えて、メーカ本部と全国の販売会社が連携して教育効果を最大化するための、柔軟なシステム運用構造とデータ活用環境も特長だ。
なお、同システムでは、メーカ本部が一括作成した標準的なモデルシナリオを統括管理環境から全国の販売会社へ一斉配信する一方、各販売会社は自社の地域特性や独自の販売プランに合わせて数値をカスタマイズして運用できる「ハイブリッド構造」を採用している。
ダイハツ工業は今後、同研修基盤の活用を全国でさらに促進し、営業スタッフの接客・提案スキルの底上げを通じて顧客エンゲージメントの向上を図る方針だ。
さらに将来的には、営業スタッフ向けのトレーニングにとどまらず、店舗を支援するスタッフや整備士、受付スタッフなど、顧客とのあらゆる接点を担うサービススタッフ全般の応対品質向上へと適用範囲を拡大していく考えだ。

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