企業の業務プロセスにおいて、自律型AIエージェントの活用が進む中、AIワークロードが取り扱う機密データの保護やアクセス範囲の適切な制限が課題となっている。
従来のセキュリティ対策では、複雑化するクラウド環境やアプリケーション層での設定ミスをリアルタイムに検知することが困難であり、AIエージェントにどこまでの操作権限を付与すべきか、いかに不正な動作やなりすましを防止するかといった新たなガバナンスへの対応が求められていた。
こうした中、オラクルは、OpenAIの最先端サイバーセキュリティモデルを活用した新ソリューション「Oracle AI Security Mesh」を発表した。
「Oracle AI Security Mesh」は、OpenAIのサイバーセキュリティモデルとオラクルのテストツール、自社システムのコンテキスト情報を組み合わせることで、アプリケーション全体の問題を調査し脆弱性の修正を支援する機能だ。
AIが潜在的なリスクを再現手順とともに可視化し、管理者が承認した範囲内で修正案のテストと適用を行う。「Oracle AI Security Mesh」が修正を適用する際は、その前にユーザが変更を承認する仕様となっている。
また、各エージェントは、それぞれ固有のID、タスクの範囲、必要な時点で付与される権限に従って動作し、独立した監視機構が承認された範囲外の活動を検知して停止することが可能だ。
なお、同社のセキュリティ対策は、アプリケーション層の「Oracle AI Security Mesh」に加え、本人確認を担う認証機能の「OCI Identity Assurance」、ネットワーク層を保護する「OCI Zero Trust Packet Routing」という、3つの異なるレイヤーが互いを補完し合う重層的な防御構造となっている。
「OCI Identity Assurance」では、支払い実行やアクセス権変更などの重要操作時に生体認証で本人確認を行い、身元の偽装やアカウントの引き渡しを防止する。この機能は、OCIやオラクルのアプリケーションを含む、すべての「Oracle Cloud」サービスで利用することが可能だ。
一方「OCI Zero Trust Packet Routing」では、どのリソース同士が通信でき、どの経路で機密データにアクセスできるかを定める、人が理解できるポリシーによって、セキュリティ上の意図を表現できる。
保護対象リソースへのトラフィックは、「OCI Zero Trust Packet Routing」のポリシーと既存のネットワーク制御の両方で許可される必要がある。
こうした保護は、ネットワーク構成が変更されても維持され、設定ミスによって機密性の高いリソースが露出することを防ぐのに役立つ。
また、AIワークロードに対しては、侵害されたワークロードの封じ込め、不正なラテラル・ムーブメントの阻止、データ流出経路の制限を支援する、独立したインフラストラクチャの保護機能を提供する。
なお、この機能は、OCIのネットワーク・ファブリックに直接組み込まれており、アプリケーションやエージェント自体より下位の層でアクセス・ポリシーを適用する。
同社はこれらのソリューション群を通じて、企業がAIエージェントに高度な業務を委ねる際にも、厳格な統制と安全性を維持できる環境を提供する方針だ。

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