近鉄不動産株式会社では、2012年7月より「近鉄ふぁーむ 花吉野」において、水分量をコントロールして糖度を高めたトマトなどの野菜を生産しているが、トマトを出荷する際、取引先へ出荷予定日の1週間前に出荷量を通知する必要があり、栽培責任者がトマトの熟度状態を基に、ハウス全体の収穫量を予測し、決定している。
しかし、熟度状態による収穫量の予測は栽培責任者の経験に左右されるだけでなく、気温や日照量などの環境要因の影響も受けることから、ハウス全体の収穫量を予測することが難しく、収穫量の予測誤差による出荷時の欠品や廃棄ロスの恐れがあった。
そこで近鉄不動産は、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)と株式会社NTTアグリテクノロジーと共に、近鉄不動産が運営する「近鉄ふぁーむ花吉野」において、1週間先のトマトの収穫量を予測する実証実験を、2022年10月6日から2023年3月31日まで実施することを発表した。
この実証実験では、AIと動画解析の技術を活用し、「ハウス全体の1週間先のトマトの収穫量予測」を実証する。
具体的には、ハウス内の一部の畑の観測用レーンの横に、移動式カメラを走行させ、トマトの動画撮影を実施。画像では判別しづらいトマトの果実数や色づき、葉の状態を動画撮影し、AIで解析する。
そして環境要因と動画解析結果を組み合わせて収穫量を予測し、収穫可能なトマトを可視化。その結果を生産者にフィードバックする。

これにより、効率的な販売計画や人員配置、収穫量予測の確立とサービス化などが期待されている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。