ゼブラ、オンデバイスAI搭載の現場向け超堅牢モバイルコンピュータ「TC501」を発表

ゼブラ・テクノロジーズは、小売や製造業の現場でのAIアプリケーション実行に最適化した新型の堅牢モバイルコンピュータ「TC501」を発表した。

「TC501」は、Qualcommの新型プロセッサを心臓部に備えてオンデバイスでの高性能AI処理を可能にし、最先端の5G・Wi-Fi 7通信、50MPのAIカメラ、長距離スキャナ、内蔵RFIDをコンパクトな1台に統合した、エンタープライズ向けモバイルデバイスだ。

端末単体(オンデバイス)で動作する高度なAIアプリの運用を可能にすることで、現場での判断スピードを向上させ、デバイスのダウンタイムや総所有コスト(TCO)の削減を支援する。

具体的には、Qualcommの新しいプロセッサ「Dragonwing Q-6690」と専用のAIエンジンを搭載したことで、従来のTC5シリーズと比較して処理パフォーマンスが最大300%近く向上した。

さらに、クラス最高水準となる最大12GBのRAMと256GBのフラッシュメモリを備え、データ集約型の重いAIアプリもスムーズにサポートする。

ディスプレイには、直射日光下でも優れた視認性を発揮する最大1500NITの6インチ高解像度AMOLEDディスプレイを採用しており、可変リフレッシュレート技術などにより画面の消費電力を最大40%削減することに成功している。

物理的な堅牢性も極めて高く、コンクリート面への最大2.4メートル(耐久カバー使用時は2.7メートル)からの落下に耐えるタフネス設計であり、急激な温度変化の試験もクリアしているため、屋外配送や工場などの厳しい環境でも故障による業務中断リスクを最小限に抑えられる仕組みだ。

加えて、これまで複数の専用端末や周辺機器(スレッド)に分かれていたデータ収集機能を1台に完全統合したことも、コスト削減と現場の負荷軽減に大きく貢献する。

データキャプチャ面では、従来の4倍の解像度となる50MPの背面カメラを搭載し、レンズの汚れや画像のブレをAIが自動検知して再撮影を促す「Enterprise AIカメラアプリ」を実装している。

また、最大約30メートル離れた場所からでもバーコードや高解像度写真を瞬時にキャプチャできるアドバンスドレンジスキャナ「AC670」や、外付けリーダを購入・管理することなく、1秒間に200個以上のタグを自動で一括読み取りできる短距離UHF RFID機能を内蔵している。

さらに、小包やパレットの3D寸法を瞬時に計測する「Time of Flight(ToF)」センサの搭載により、トラックや倉庫の積載スペースの最適化も容易に行える。

バッテリはホットスワップに対応しているため、交換時に端末をシャットダウンする必要がなく、45分で70%まで急速充電できる機能と合わせて、24時間稼働の現場でも隙間のない運用を実現する。

ゼブラ・テクノロジーズは、同プラットフォーム「TC501」にプリロードされた強力なソフトウェア群「Zebra DNA」の提供を通じ、数日で現場用のAIアプリを開発・展開できる環境を整備していく方針だ。

今後は、店頭の補充やタスク管理に追われる小売店のスタッフから、現場での部品・資産管理を担うフィールドエンジニア、さらには配送証明やモバイル決済を素早く完結させる必要がある郵便・宅配ドライバーにいたるまで、多種多様な産業の最前線へ本デバイスの展開を急ぐとしている。