日本のものづくり最前線、「研究開発型」町工場の躍進の秘訣を探る -由紀精密社長 大坪正人氏インタビュー

”つきぬけた技術”で、世の中を幸せにしたい

-私が気になっているのが、日本の優良企業が海外からあまり見えていないなということです。たとえばシリコンバレーの企業がハードウェア製品を外注する場合に、その選択肢の中に日本の企業が入ってこないのではないか。それで、中国の企業に取られてしまっているのではないかと懸念しています。

大坪: おっしゃる通りだと思います。これまで日本の中小企業は、日本のお得意先企業に部品を納めるというのが普通でした。そして、大手の企業が完成品を世界中に売ってくるというしくみです。

それが今、大手は海外に進出して現地調達するようになり、日本の中小企業が不満を持っているのは事実だと思います。ただその原因の一つは、私たちのアピールが足りていなかったことだと思います。本当は、私たちも積極的に海外へ行き、売ってこなければならなかったのです。

当社ではそうはならないように、マーケットを世界に求めてきました。パリの航空ショーに2010年に「YUKI」ブランドで出展して以来、毎年出展しています。

ここ3年間では、年に6回は海外の展示会に出展しています。今ではようやく展示会で会う外国人に、「知ってるよ」と声をかけてもらえるようになりました。また、小型衛星のメーカーであれば、由紀精密を知ってくださっている企業が増えてきましたし、時計業界でもかなり知名度が上がってきています。そうした地道な努力が大切です。

日本のものづくり最前線、「研究開発型」町工場の躍進の秘訣を探る -由紀精密 大坪正人社長インタビュー
由紀精密本社。横浜には研究開発の拠点もある。

-本日はお話を伺い、製品も見せて頂いて、ものづくりというのは本当に奥深い世界なのだとわかりました。

大坪: 当社では、よい製品を追求し続けています。ただ、それが世の中から要らないと言われてしまうと、意味がありません。「イノベーションのジレンマ」という言葉があります。イノベーションが行き過ぎてしまって、逆に世の中にニーズがないという場合のことです。

しかし私は、突き抜けてしまっていいと思っています。世の中の要求よりも突き抜けてしまって、その突き抜けでしまったものを使ってくれる人を探していく。それが使われるマーケットをつくっていく。その方が面白いと思っています。

-今後の展望についてお聞かせください。

大坪: 「ものづくりの力で世界を幸せに」が、当社のミッションであり存在価値です。

それはたとえば、背骨のインプラントです。背骨が悪くなってしまうと、人の働ける寿命は短くなってしまいます。頭はしっかりしていて、立つこともできる。それなのに、背骨がちょっとずれているだけで動けないということがあるのです。私たちは、そうしたことをなくしたいと思っています。

また宇宙の分野においては、「ごみ掃除」が課題となっています。宇宙開発を進めてきた結果、地球の軌道上にはたくさんのごみがあります。私たちは、そのごみを除去するための衛星に必要な部品を供給することで、宇宙開発のサステナビリティに貢献したいと考えています。

他にも、食糧問題や水不足など、世界には問題がたくさんあります。そうした課題に対し、私たちはものづくり企業として、「プロダクト」によって解決していきます。

-本日はありがとうございました。

【関連リンク】
由紀精密(YUKI Precision)

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