「協創」でつくるIoTビジネス、第3回IoTパートナーコミュニティ レポート2 ―セキュリティ・ブロックチェーン・FoodTech

【ブロックチェーン】個人データを安全に利活用できるしくみを実証

「ブロックチェーンWG」は今期、パーソナルデータを安心・安全に利活用できる「BCPDS(ブロックチェーン・パーソナルデータストア)」(※)の開発と実証実験を行ってきた。

「パーソナルデータ」とは、「個人情報」そのものだけではなく、スマートフォンやウェアラブルから取得した移動・購買履歴や健康などの多様なIoTデータを含む言葉である。こうしたパーソナルデータを活用することで、サービスを提供する事業者は大きなメリットを得られる。たとえば保険会社であれば、健診機関の健診データのみならず、ウェアラブルから取得したバイタルデータなどを加えることで、その人に最適な保険契約の提案が可能になる。

しかし、現時点ではパーソナルデータの利活用には課題があるという。ブロックチェーンWGのリーダーである株式会社セゾン情報システムズの佐々木勝氏(冒頭写真・中央)は次のように説明した。

「事業者が顧客のデータをすべて管理しようとすると、大量のデータを管理・蓄積しなければならない。それはリスクもコストも大きい。また、自社の顧客のデータしかわからない。真の顧客ニーズなどを見つけようとした場合には、自社ではリーチできないデータにも目を向ける必要があり、自社だけではそのリスクとコストに見合ったメリットが得られない」(佐々木氏)

第3回IoTパートナーコミュニティ
BCPDSのメリット

一方、個人(顧客)からすると、「自分のデータがどこで誰に使われているのかわからない」、「提供しても自分にとってメリットがあるのかわからない」といった不安があることが課題となっている。

そこで、同WGが開発したのが、「BCPDS(ブロックチェーン・パーソナルデータストア)」である。BCPDSのポイントは、「データは個人が管理する」しくみであるということだ。個人は自分が同意した目的と相手にのみデータを提供するため、上述した個人の不安は解消できる。また、事業者としても、自社が必要なデータを必要なタイミングで収集できるため、データを蓄積するリスクとコストの軽減が可能。また、他社由来のデータも収集可能であるほか、正当なデータ利用をしていることを客観的に証明できる。

同WGでは、既にこのBCPDSのしくみを使った実証実験を、大手食品メーカーで行った(本年11月19日~12月14日)。この企業は社員の健康維持や向上を経営戦略の一環として積極的に取り組んでおり、その手段としてパーソナルデータの利活用を検討していた。その際に、「会社がデータを収集・管理しない」、「必要十分なセキュリティを備える」といった条件があったが、BCPDSであれば対応できるとして、実証実験が実現した。

第3回IoTパートナーコミュニティ
食品メーカーで行ったBCPDSの実証実験の概要

具体的には、参加社員にFitbitとBCPDS実験用アプリを提供。日々のFitbit活動量データを会社アカウントに提供するというシナリオでBCPDSの実用性を検証した。その結果、延べ216人分の活動量データが正しく取引できることを確認。さらに、ブロックチェーン上にすべてのデータに対する提供・参照のログが記録されていることも確認できた。

今回、BCPDSの実用性を実証できたため、今後は引き続き同食品メーカーと第2弾の実証実験を行っていく予定。協業できる企業も募集中ということだ。

※12月21日、株式会社セゾン情報システムズよりリリース。

次ページ:【FoodTech】飲食店のIoTからフードサプライチェーンの全体最適を目指す