「協創」でつくるIoTビジネス、第3回IoTパートナーコミュニティ レポート2 ―セキュリティ・ブロックチェーン・FoodTech

【FoodTech】飲食店のIoTからフードサプライチェーンの全体最適を目指す

「FoodTech WG」では、「フードサプライチェーン」の全体最適を目指して活動を行っている。フードサプライチェーンとは、食品が生産されてから、消費者のもとに届くまでのバリューチェーンを指し、工場、流通、飲食店など関わってくるフィールドは様々である。

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フードサプライチェーンの概念図

同WGのリーダーを務める株式会社セカンドファクトリーの千葉隆一氏(冒頭写真・右)によると、FoodTechとはそのフードチェーン全体を最適化するためのテクノロジーを意味する。そして、その中でも今期は「飲食店」「小売」「消費」を包括する「サービステック」の領域に着目し、実証実験を行ってきた。

セカンドファクトリーが運営する飲食店にて、実際に行った取り組みは多岐にわたる。その一つが、「リアルいいね!ボタン」という店の食事や雰囲気に対して簡単に顧客のアンケートを取得できるしくみだ。「データを取って終わりではなく、分析も行った。その結果、スタッフのモチベーションにつながることもわかった」(千葉氏)

また、スマートフォンから食事の注文などが行える「TRIENT」(セカンドファクトリーが既に商用化しているサービス)を活用。これにより、店内がIoT化されてなくても、スマートフォンがあればユーザーのログを取得することが可能になる。一方、スタッフにもビーコンをもたせ、その行動を可視化。接客の回数や時間が売り上げにどう影響するかを検証した。分析の結果、次の改善のアクションにつなげるためのダッシュボードも作成した。

IoTを活用した店舗内のデータ取得については、セカンドファクトリーが運営する「海の家」で実証実験を行っているが、それは「オフィスIoT WG」のテーマとなるため、追って紹介したい。

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FoodTech WGで開発した、データを分析して次のアクションにつなげるための店舗内ダッシュボード

IoTの取り組みの必要性について、千葉氏は「飲食店の利益を最大化するためには、PDCAを高速で回す必要がある。そのために必要な手段がデータサイエンスだ」と説明。しかし一方で、飲食店ではPoCを行ったとしても、商用化に至っていないケースが多いという。その課題を「ビジネスモデルどうする問題」と表現し、次のように説明した。

「飲食店はメガチェーンとスモールチェーン、個店に分かれる。そのうち、メガは全体の売上の17%を占める。同じ飲食でもビジネスモデルはまったく異なる。具体的には、材料費(F)や人件費(L)のバランスをどうとるかという話になるが、その方法は100店100様だ。そのため、商用化のためには解決すべき課題はどこにあるのかをこまかく整理して、アクションを進めていく必要がある」

また、フードサプライチェーンの全体最適という視点においては、「そもそも『食』はアナログの世界のものだ。これからは、その現場(飲食店)における顧客ニーズを生産サイドにフィードバックするしくみも必要になるだろう。そのため、今後も飲食店での取り組みを中心に、全体最適を目指していきたい」と述べた。

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飲食店のIoTデータ活用において、商用化に向けて解決すべき課題

(レポート3はこちら

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