介護サービスの課題を、現場のノウハウで解決 ーZ-Works小川氏インタビュー

Z-WORKSの見守り

そこで、Z-Worksでは、マットセンサーをただ単純に置き換えるのではなく、さらに付加価値をつけるよう工夫しました。

その付加価値とは、離床してからの通知だと遅いので、離床する前に通知しようというものです。「ベッドの上で沢山寝返りを打ったら通知をする」「手足が出たら通知をする」というアイディアになります。

しかしこれでは、寝返りを打つたびに通知されてしまい、自宅などでの一対一の介護であれば良いシステムですが、一人で20~30人見ている現場には合っていないと感じました。

その結果、施設向きには、ベッドに敷くマットセンサーだけを置き換えるのではなく、複数のセンサーを組み合わせたものを提案しています。

Z-Worksの介護サービス『LiveConnect Facility』  Z-Works小川氏インタビュー(仮)
Z-Worksの介護サービス『LiveConnect Facility』の利用イメージ

まず、ドップラーレーダーを使って、動きが少ないお年寄りの安否確認を、心拍数と呼吸数で見ていきます。ドップラーレーダーを使えば、非接触でベッドの上にいるかいないかを検知できます。そして、安静時の心拍数と呼吸数も同時に取ることができます。

ただしこれでもまだ誤検知の可能性があります。誤検知を減らすためには、始めにある程度のデータが必要です。しかしデータはすぐに蓄積されるものではありません。

そこで、ベッドにいないことを知らせるために、ベッドの足元に人感センサー置くことで対応しています。ベッドの上にいる間は、バイタルレーダーで確認し、離床やトイレの利用で部屋から出て行く、というのを複数のセンサーでカバーします。

そうすることで、通常時の高齢者の様子が分かりつつ、何かあれば異常通知する仕組みができあがります。

ちなみに、この仕組みは現在首都圏を中心に複数の介護施設に導入させてもらっています。

小泉: ケアワーカーの負担を減らして離職率を減らすということですね。他にもケアワーカーの負担軽減に役立っている場面はありますか。

小川: 介護の現場では夜間の勤務は基本一人です。夜間業務の負荷軽減に我が社のシステムが役立っていると思います。

特別養護老人ホームでは、10~12部屋に対して、共用部分を作らなくてはなりません。供用部分には、テレビがあります。この共用部分には、基本的に夜の8時以降人が誰もいなくなるので、この画面を映し出します。そして異常があれば、夜間の巡回作業中のケアワーカーさんに通知されます。

特別養護老人ホームの共用部分に出している映像

また、高齢者の方は呼吸が浅いので、生存確認が難しいことがあります。基本的に口元の息を確認するしかなく、かなり近づく必要があります。しかし近づいて確認していると、眠りが浅い方だと起きてしまうことがあります。そうすると、認知症の方が多いので騒いでしまい、周りも起きて騒ぎだし、現場が混乱してしまう、ということもあります。

次ページは、「安否確認や通知の実際

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