OODAループによる管理サイクルの高速化

部門間コミュニケーションの改善に加えて機動生産で必要とされるのは管理サイクルの高速化である。生産管理といえば、PDCAが定番だが、PDCAは機動生産で導入するには限界があるという。
なぜなら、計画担当者のみに情報が集まり、意思決定を少人数で行っているので、日々の調整も少人数が担わなければならず、負荷が大きい。加えて、不足・追加・前倒しといった要求のみが伝えられ、調整が軽減されるような情報はなかなか集まらないため、計画担当者はいずれ変化に追従しきれなくなるという。
これを改善するためにはOODAループが有効であると野本氏はいう。OODAループとは米国空軍が提唱した理論で、戦況を作戦本部へ持ち帰ることをせず、部隊長が現場で迅速に意思決定をしていく方法だ。
OODAループは観測(Observe)、方針(Orient)、決定(Decide)、実施(Action)というステップを踏む。まず生産会議で提出される膨大な資料を全て把握することは難しいので、コンピューターに必要な情報を入力し、解析を行う。
この解析されたデータを観測すると、いつ・どこで・何が・なぜ欠品しているか、あるいは余剰になっているかなどが分かる。このデータをもとに方針を立てて、現場が意思決定を行う。
意思決定によって変更した内容は先述の全体の繋がりがみえる計画に落とし込まれるので、サプライチェーンが適正であるかどうか見極められる。そこで調整が必要な場合は、さらに計画を変更する。
調整が必要ない場合は実施に移り、その結果をまた全体計画へフィードバックするのである。
全員参加型のサプライチェーン・マネジメント

機動生産の体制をとるには、部門間のコミュニケーションの改善とOODAループにより管理を高速化していくことが必要であることがわかった。
このような機動生産の体制下では、各部門がOODAループでリアルタイムに情報を共有し、適宜、計画変更を行う。さらにウォーターフォール式にとらわれないことで、変更された計画は全部門に逐一共有され、仮に調整が必要な場合は工程関係者同士が連携をとることができる。
野本氏によれば、この体制を構築することができれば多品種少量・短納期への対応力が飛躍的に向上するとした。
現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。特にロジスティクスに興味あり。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。
