NEC、分散エネルギーリソースを統合制御して調整力を創出するクラウドサービスを提供

2018年7月に示された第5次エネルギー基本計画では、2030年のエネルギーミックスにおいて再生可能エネルギーの電源構成比率は22~24%とされ、主力電源化を目指すことが明記されている。発電電力の変動が大きい再生可能エネルギーの比率を高めるためには、不安定な出力をカバーし、需給バランスを維持する応答性の高い調整力の確保が不可欠となっている。

調整力の一つとして期待されているのが蓄電池や太陽光をはじめとする発電設備など、需要家側に分散するエネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(以下、VPP)(※1)の構築だ。日本電気株式会社(以下、NEC)はこれまで多数の蓄電池を遠隔からリアルタイムで制御する技術の研究開発を進めるなど、VPP構築に向けた実証事業に参画してきた。

そして今回、NECは需要家が保有する分散エネルギーリソースを統合制御し、調整力を創出する「NEC Energy Resource Aggregationクラウドサービス」を11月より提供開始する。同サービスは、VPP構築実証事業への参加者をはじめ、需給調整市場へ参入するリソースアグリゲーター(以下、RA事業者)(※2)を対象に提供していく。

同サービスの特長として、AIを活用することでエネルギーリソースの制御を行い、調整力の創出を実現する。AIが過去の制御実績を学習し、過去のベースライン(※3)の予測精度の評価を行ったうえで、ベースラインと実際の需要との誤差、リソースの特性等に起因する誤差を補正する。

また、RA事業者は制御するエネルギーリソースをクラウド上に登録するとともに、同サービスを通じて蓄電池の充電状況など様々な情報を受信し、これらの情報を基に制御内容を決定し、調整力を創出することができる。

将来的には、電力需要に影響するようなイベント情報や気象情報等も加味した制御を目指す。また、創設される需給調整市場(※4)の動向にも対応していく予定である。

NECは今年度より同サービスを活用し、自社の事業所内に設置したエネルギーリソースをVPP化し、RA事業者の立場でも実証に参加していく。

※1 情報通信技術等により、分散するエネルギーリソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電設備のように機能する仮想発電所。
※2 需要家と分散電源等の電力リソースの活用契約を締結して、リソース制御によって電力事業者(送配電事業者、小売電気事業者、発電事業者)向けに需給調整サービス提供を行う事業者。
※3 ディマンドリスポンスにおいて需要家の負荷削減量を測るときの基準となる値またはその計算方法を指す。
※4 需給バランスの変動への対応、電力の周波数維持等のための調整力を取引する市場。

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