日立とイオンモール、ショッピングモール内店舗の商品情報を自動収集して店舗横断で商品を一括検索できるシステムの実証実験を開始

近年、国内の小売業では、大規模なECモールの出現などによって消費者の購買方法が多様化する一方、生産年齢人口の減少に伴う人手不足が顕在化しており、実店舗では、先進のデジタル技術を活用し、人手をかけずに消費者の購買意欲に即座に応える効率的な店舗運営が求められている。

特に、多くの店舗が集まるショッピングモールでは、ウィンドウショッピングを楽しみたいというニーズの一方、数ある店舗の中から迷うことなく欲しい商品を見つけたいというニーズがあり、購買意欲のある消費者を商品のある店舗まで確実に誘導する利便性の提供も期待されている。

こうした中、デジタル技術を駆使して快適に過ごせ、かつ利用しやすいショッピングモールをめざすイオンモール株式会社と、デジタル技術を活用してイノベーションを提供する株式会社日立製作所(以下、日立)は、2018年8月から両社の知見・ノウハウを融合した協創を開始している。

両社で、スマートモール実現に向けたアイデア出しを重ねて課題とコンセプトを整理し、それを踏まえてシステム構築を進めており、今般、複数の店舗が集まるショッピングモール向けに、入居店舗の取扱い商品情報を自動収集して店舗横断で商品を一括検索できるシステムの実証実験を開始した。

同システムでは、各店舗会社が独自に運営するEC(Electronic Commerce)サイトから商品の画像・概要・価格などの各種情報を自動収集してショッピングモールの商品データベースを構築し、モール内に設置された端末からデータベースに蓄積された商品を検索できるサービスを提供する。

これにより、実店舗がショッピングモール専用の商品データベースを構築・管理することなく、消費者はモール内の端末でキーワードを入力するのみで、ショッピングモール内での商品の一括検索を行うことが可能になる。

また、同システムには、日立が開発した類似画像検索技術「EnraEnra(※)」を搭載しており、検索した商品や、消費者のスマートフォンに保存された画像に似た商品(形や色など)を検索して一覧表示することができ、類似商品の比較検討が行える。さらに、購入したい商品の販売店舗の場所を表示することや、おすすめ商品やタイムセール情報も確認できる。

これらにより、消費者の買い物の利便性向上、およびショッピングモール内店舗での購買機会向上への貢献を目指す。

なお、同実証実験は、2019年11月1日から12月末頃まで、靴・鞄を対象とした本システムの実証実験をイオンモール幕張新都心(千葉県千葉市)で、また2019年11月20日から12月末頃まで、アパレル商品を対象とした実証実験をイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)で実施する。

今後イオンモールでは、消費者の利用状況などに鑑み、同システムの本格導入と他ショッピングモールへの展開を目指す。

※ 画像自体から、色分布や輝度勾配パターンの分布などの情報を数値ベクトル化した「画像特徴量」を自動的に抽出し、それをもとに類似画像を検索する技術。画像に関連するキーワード情報が付与されてない画像データも検索することが可能。

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