世界で導入がすすむSTEM教育と、IoTやロボティクスの活用

科学・技術・工学・数学の教育分野(Science, Technology, Engineering and Mathematics)を総称した、STEM教育という概念が国内で話題になっている。最近では、それにA(Art)を追加しSTEAM(スチーム)教育とも呼ばれることもある。

STEM教育とは

STEM教育は上記の分野などの知識、技能を基にし、科学技術的なアプローチによって現実の課題を論旨明確に考え、創造的に解決する問題解決のためのプロジェクト型の学習だ。(日本STEM教育学会 STEM教育研究 第1巻 「これまでのSTEM教育と今後の展望 」 新井 健一 より)

もともとは、米国で科学技術による国際競争力を高めることを目的とし、理工系科目の履修を高めることを目指していたもので、それが世界各国で取り入れられているというわけだ。

海外におけるSTEM教育

海外においては、早々に国策としてSTEM教育への取り組みがおこなわれてきた。「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議の報告書」(出典:平成30年 文科省科学省)によれば、イギリスにおいては2004年から、EU全体では2007年から既に取り組みが始まっているようだ。EU加盟各国は、人材確保にむけて、自然科学・工学分野を学ぶ生徒を増やし、教育においては、創造性、イノベーション志向、起業家精神を育てるようなカリキュラムを強化している。

なお近隣の韓国でも2013年から既に取り組みが始まっており、「初等中等教育における高度なSTEM教育」が実施されているとのことだ。

国内におけるSTEM教育

一方、国内においては2020年度から実施される新学習指導要領においては、プログラミングが授業へ取り込まれることが決定しているが、指導者不足など問題点が指摘されている。

さらに、2019年11月11日には、情報通信技術を活用した学校教育の充実に向けて、自民党の教育再生実行本部などから、すべての児童や生徒に1人当たり1台のコンピューター端末が行き渡るようにすることなどを求める提言書を安倍総理大臣へ提出している。準備にはもう少し時間がかかるようだ。

なお、計画通りに進めば次回の学習指導要領は2030年度に改訂される。もし、本当にSTEM教育が今後の日本社会において必要な資質を養えるのだとしたら、2030年の改訂時にの要領へ盛り込まれる可能性がある。しかし、それを待っていては遅いという意見も日本STEM教育学会では指摘されている。

国内におけるSTEM教育への取り組み事例

さて、STEM教育がいままでの文系、理系という枠組みでの学問のとらえ方を超え、社会的課題に対してどのように解決していくかを考えるための教育であることを考えれば、まったく違ったアプローチが必要になってくる。

国内でもIoTやロボティクスなどを使って、さっそく取り組み事例、教材が出てきているので紹介したい。

[参考記事] sensingnetの微生物発電技術を小学校のSTEAM教材として採用 -立教女学院小学校

[参考記事] LEGO Educationが実社会につながるSTEAM教材を展示 ー第10回教育 ITソリューション EXPOレポート

今後、教育が課題を発見し、解決するための自律的な学習へ向かうことで、学び方が変わり、新たなソリューションがうまれる可能性も高い。また、海外のように学び方が変われば、学生時において起業へチャレンジできる機会も増えるのかもしれない。

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