NTT ComとPwCコンサルティング、AIとデジタル設計データを活用して製造業の設計・調達業務を支援する実証実験を開始

少子高齢化が進む日本において、モノづくりに従事する就労者の減少はますます深刻化しており、限られた人員で従来の成果を維持、拡張することが今後の大きな課題になっている。一方、製造工程におけるデジタル化については、設計業務での3DCAD活用など徐々に進められているものの、すべての業務に展開するには至っておらず、抜本的な新しい取り組みが求められている。

このような背景から、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とPwCコンサルティング合同会社は、NTT Comが推進している製造業のDXを支援する「Smart Factory」において、デジタル設計データを活用して製造業の設計・調達関連業務の効率化を実現するデジタルマッチングプラットフォーム(設計/調達DX)の2020年度中の商用化をめざし、7月より共同で実証実験を開始する。

同サービスでは「共創と、協調する領域を拡大する」という新しい産業の在り方を推進するため「設計から調達に係る業務効率を向上」と「さまざまな企業がつながる場を提供し、受発注の関係性を最適にデザイン」の2つの目的を実現する機能を開発していく。また、顧客の要望にあわせたカスタマイズにも対応する。主な機能や特長は以下の通り。

メーカー側(発注側)機能

設計担当者向け機能

現在多くの設計業務では、製造に必要なすべての情報を3D図面上に記載することができず、他社へ発注する際は2Dと3D両方の図面を作成する必要がある。また、設計データが社内で共有できていないため過去の同一部品を新たに設計してしまうなど、非効率な業務状況が課題となっている。

同サービスでは、部品発注に必要な仕様・補足情報をクラウド上で一元的に管理する機能や、類似部品解析AI(※1)を活用し過去の設計データを類似部品ごとにカテゴライズし、設計データのカタログを自動生成する機能を提供する。これにより、重複業務の発生を抑制し、設計・調達業務の効率性の向上に貢献する。

調達担当者向け機能

大手の製造業などさまざまな製品を開発している会社では、同一部品であっても組織が異なることでそれぞれ別の部品加工業者へ発注される場合があり、最適な調達先の選定や業務コストの重複が課題となっている。

同サービスでは、発注予定の同一部品、もしくは類似の部品を3D図面データからAI形状クラスタリング技術(※2)を活用して判断する機能を提供する。これにより、同一部品もしくは類似の部品を発注する際の効率性の向上を図る。

サプライヤー側(受注側)機能

部品加工業者向け機能

部品加工業者では、複数のメーカー(発注元)から受けた大量の見積対応が課題となっている。同サービスでは、類似部品解析AIを活用し、見積依頼を受けた部品の3D設計データをもとに過去の見積対応や受注した類似の部品を検索する機能を提供する。

受発注の最適な関係性をデザイン

従来の取引関係に拠らず、さまざまなメーカー/サプライヤーとつながる機能を提供する。設計データと部品加工業者の製造リソース情報を活用したマッチング型のデジタルマーケットプレイスと、公開案件への見積回答など一連の受発注業務を同サービス上で行う入札型のデジタルマーケットプレイスを提供する。これにより、メーカーにおける設計調達業務の効率化やサプライヤーの安定した受注、設備の有効活用に貢献する。

※1 類似部品解析AI:従来は目視で判断していた部品形状の類似性を、AIを活用した3DCADデータの解析により算出し、類似する部品をデータベースより検索する技術。
※2 AI形状クラスタリング技術:類似部品解析AIを活用して、発注しようとしている部品群に対して類似する部品のクラスタリング(グループ化)を行う技術。

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