NTT西日本など、IoT向けWi-Fi規格「IEEE802.11ah」を用いた農業フィールドトライアルを実施

北陸情報通信協議会イノベーション部会(以下、HICC部会)では、近年のIoTの急速な進展に伴い北陸地域における産学官を結集して地域の特徴を生かしたIoTシーズによる課題解決・IoT実装の全国展開を、北陸総合通信局とともに推進している。

一方、北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)及び西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、HICC部会にて省電力・長距離通信といった特徴を持つ新たなWi-Fi規格である802.11ahが様々な領域で社会的課題解決に向けた新たな手段として活用できることに着目していた。

また、802.11ah推進協議会(以下、AHPC)は802.11ahのより多様なユースケースへの適用を実現し、IoTを活用した社会的課題の解決手段の選択肢の拡大や利便性向上に寄与すべく、技術検討、実証実験、情報収集、関係機関への働きかけ及び普及促進活動等を推進している。

JAIST、石川県加賀市、NTT西日本、AHPC、HICC部会及び北陸総合通信局は、加賀市奥谷梨園において、IoTの通信システムとして期待される新しいWi-Fi規格「IEEE802.11ah」(以下、802.11ah)(※1)の実用性評価を目的とした、農業フィールドにおけるフィールドトライアルを2020年7月頃と同年12月頃の2回実施する。

梨園では、広大なほ場を定期的に巡回し梨の木の生育を管理する必要がある。現状は巡回・目視確認で行っているが、802.11ahを活用することで、ほ場に設置したカメラやセンサで取得した情報を遠隔から確認し、定期的に梨の木を管理できるようになる。

同取組では、選果場に無線アクセスポイント、ほ場にカメラと接続した無線端末を設置し、無線端末から802.11ahを活用して伝送された映像を選果場にて確認する。季節によって環境が変わる農業フィールドを活用して、802.11ahのスループット(※2)、電波伝搬(※3)の特性の評価を行う。

同取組における各機関の役割は以下の通り。

  • JAIST:データ分析および農業フィールドにおける実用性評価
  • 加賀市:地元との調整によるトライアルフィールドの提供
  • NTT西日本:802.11ahの性能評価、トライアル環境の構築、データ測定
  • AHPC:実験試験局免許に基づく802.11ah装置の提供と特性評価
  • HICC部会・北陸総合通信局:応用シーンや地域内の展開の調査検討

※1 IEEE802.11ah:920MHz帯の周波数を利用する通信手段のひとつで、既存のWi-Fi規格と比べて環境によっては通信可能距離が10倍以上(~1km程度)となるため、特にIoTの通信システムとして様々な分野で活用が期待される新しい種類のWi-Fi規格。
※2 スループット:通信回線の単位時間あたりの実効伝送量。
※3 電波伝搬:電波が空中を伝わり、離れた所に到達すること。電波伝搬の安定度・強度は自然現象に影響され周波数、時間、位置関係によって大きく左右される。

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