IDC、データエコシステム事業者には流通データを最大化しようとする等の3つの傾向があると発表

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IDC Japan株式会社は、国内ベンダー/企業の「データエコシステム」に対する取り組み状況の調査結果を発表した。

IDCでは、企業内部におけるさまざまなファーストパーティデータを、外部のセカンドパーティ(協業先の組織)/サードパーティ(協業先以外の外部組織)データと掛け合わせ、新たなビジネスモデル/収益モデルを創出すべく形成するステークホルダーの集合体を「データエコシステム」と定義している。

同調査では、データエコシステムに関わるさまざまなプレイヤーの中でも、「産業横断データ取引基盤」「Data as a Service」「情報銀行」「データ流通推進活動」に関わる事業者に焦点を合わせて調査を行っている。データエコシステムに関わる事業者の動向については、以下に示すような3つの傾向がみられることが明らかになった。

IDC、データエコシステム事業者には流通データを最大化しようとする等の3つの傾向があると発表
データエコシステムの構成要素と主要プレイヤー
1つ目に、情報銀行などのパーソナルデータ流通を推進する事業者では、データ提供側に対して「新鮮且つ継続的な体験」生み出すことにより、流通データを最大化しようとする傾向がみられる。パーソナルデータを活用した地方創生、副業支援、融資サービスの最適化などユースケースは多岐に渡る。

産業系データを中心に扱う産業横断データ取引基盤やData as a Serviceを推進する事業者では、データ流通基盤上で多種多様なデータを配合してデータ利用側がビジネスにつなげやすい形にする「データブレンディング」が、データエコシステムの活性化には肝心とした。加えて、プライバシー/コンプライアンス管理の手間を軽減するための取り組みも、データ提供側/利用側の双方に対してベネフィットを生みだす重要な差別化要素となりつつある。

2つ目に、企業または産業を横断する形でデータ共有を行う事例が多様化しており、その方向性は「非競争領域のデータ共有」「地域特化型データ共有」「デマンドチェーン型データ共有」に分類されることが判明した。

また、業種や立場が異なるステークホルダー間でデータ共有をスムーズに行う上では、データの収集、保護、品質管理、統合、準備、学習、分析、活用などの各プロセスと、それを支えるテクノロジー、および各プロセスに関わる組織や人の概念である「データパイプライン/DataOps」というものを整備することが必須になりつつある。その上で「データ標準化に向けたルール作りや関連する技術開発」と「データビジネス創造に向けた人材間/組織間連携の推進」が不可避な取り組みになるとIDCではみている。

3つ目に、パーソナルデータの「使い道」について不安視する個人消費者が未だ少なくない中、感染症の予防対策、防災、治安の維持など、「公共性」の高いユースケースにおいては、パーソナルデータの活用に対する受容性が比較的高く、事例が先行する傾向がみられる。

また地域密着型でパーソナルデータ流通を推進する事業者では、特定地域において、まずはパーソナルデータ活用の成功事例を確立し、将来的に国内外の多様な地域にデータ流通基盤を横展開していくといったロードマップを描くケースが目立つ。こうしたことから公共性と地域密着性を重視した上でのユースケース作りが肝心になりつつあるとIDCでは考えている。

IDC Japan コミュニケーションズのシニアマーケットアナリストである鳥巣悠太氏は「データエコシステムに関わるベンダーは、DX/IoTソリューションを企業に提供する際、データエコシステムを最大限活用することでPOCフェーズにおける活用データを増やし、データから生み出すアイデアの幅を広げることが必須となる。また、ソリューションのKPI(Key Performance Indicator)を設定する際、活用可能なデータ量や種類、データパートナーやアイデアの数などを複合的に評価することも肝心となる」としている。

また「COVID-19の影響により、人々の働き方に対する考え方が大きく変化する中、専門職の人材が持つ感覚的能力や、人に対する同僚、顧客、知人、家族からの評価など、人の能力や評価をあらゆる角度からデータ化して流通させる必要がある。それにより、従来と比較して圧倒的に柔軟なワークスタイルが確立し、また適材適所な人材リソースの配分が可能となる」と述べた。

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