IDC、COVID-19はDX推進の大きな阻害要因にならず限定的なものになったと発表

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IDC Japan株式会社は、国内企業のDX動向調査結果を発表した。これによると、DXを推進している国内企業は、ビジネス戦略とDX戦略の両戦略の長期的、全体的な連携を強め、業務のあらゆる面においてデジタル技術を活用し変革しようという意識が強いことが明らかとなった。

IDCでは、2020年10月にDXを実施している国内企業で、実際にDXに関わっているマネージャー以上の200人を対象としてDX実施の目的、組織体制、課題、技術基盤、KPIなどを調査した。これは2019年に引き続き行われたものであり、国内企業におけるDXとビジネスとの連携、推進上の課題、DX実現のIT基盤などを聞いたものである。

同調査レポートによると、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)がDXに与えた影響については、DX推進の大きな阻害要因になっておらず、限定的なものとなったとのことだ。回答企業のうち7割近くが、DXの領域、予算、体制が拡大した、優先順位の変化や取捨選択はあるが継続する「COVID-19以前」と変わらず推進するとしている。

また、COVID-19の感染拡大は一般的には在宅勤務など働き方の見直しを迫ったが、一方で、DXの推進企業では働き方の見直しもさることながら、社内業務プロセスの見直しやデータや情報の活用を行おうと考える企業も多い調査結果となった。COVID-19は、DXを通じた新たな企業の形を作り出すことにつながっているとIDCは分析している。

2020年の国内企業のDXへの取り組み状況については、「DXを企業戦略と全体的、長期的に連携させている企業(戦略一致企業)」が前年同調査と比較して8.1ポイント増の51.5%となった。DXに実際取り組んでいる企業にとって、ビジネス戦略とDX戦略を一致させることは「当然」となっている。

その「DXを企業戦略と全体的、長期的に連携させている企業(戦略一致企業)」と「DXを企業戦略と部分的、短期的に連携させている企業(戦略分離企業)」との比較においてDXの優先度を聞いた質問では、戦略一致企業は「ビジネスの継続性」「人材の卓越性」「業務の卓越性」「顧客体験」などあらゆる項目で戦略分離企業よりも回答率が高い状況となった。

これは、戦略一致企業が、業務のあらゆる面においてデジタル技術を活用し、変革しようという意識が強いものとIDCはみている。

DXをビジネスの変革と正しくとらえ、ビジネス戦略とDX戦略の一体化を図る企業は増加している。その一方、中長期的なDXロードマップの不在や、既存基幹ITシステムとDXシステムとの連携不足は、真の変革を実現する際の阻害要因になる可能性もあるとしている。

IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの山口平八郎氏は「新型コロナウイルスは、社会、企業、顧客とのかかわり、働き方を将来にわたって大きく変えていく。国内企業はコロナ後の社会変化を見据え、今一度自社が目指すべきDXの方向性と、それを実現するための社内組織体制、インフラ、人材、業務プロセスの見直しを図るべきである」と分析している。

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