サトー・沖縄セルラー・KDDI総合研究所、RFIDラベルを活用した温度管理システムを植物工場のイチゴで運用開始

近年、食品輸送においては、鮮度の維持と品質劣化の防止のために、最適な温度下での輸送や保管を求めるニーズが高まっている。これまで、出荷時や物流業者の特定の中継点で商品の温度を計測する輸送管理は行われてきたが、出荷の時点から継続的な温度履歴を取得し、管理を行うことは費用面などから実運用上、困難だった。

沖縄セルラー電話株式会社(以下、沖縄セルラー)が栽培・販売する沖縄のブランド苺「美ら島ベリー」は、ICTを活用した完全密閉型植物工場で栽培し、出荷する沖縄の特産品である。植物工場内での栽培によって農薬を不使用にするほか、これまで安定した収穫量や良好な出荷状態の確保に努めてきた。

このほど、株式会社サトーと沖縄セルラー、株式会社KDDI総合研究所は、美ら島ベリーの輸送の全過程において、RFID温度ロガータグ(ラベル)を用いて精緻に温度を管理するシステムを開発し、2021年6月から本格的に運用を開始した。

今回のシステムでは、サトーが開発したRFID温度ロガータグ「LogBiz – Thermo」(以下、LogBiz)(※)を出荷箱に添付し、出荷から納品まで5分毎に、2週間分の温度履歴をLogBizに記録する。

温度データは生産者や物流業者の入荷時及び出荷時にスマートフォンの操作でクラウド上の温度推移管理システムにアップロードされる。閾値を超えた場合には、システムのオペレータに警告が表示される。このシステムによって、美ら島ベリーの輸送過程まで含めた品質保証が可能になり、ブランド維持や消費者への安心感の提供に寄与する。
サトー・沖縄セルラー・KDDI総合研究所、RFIDラベルを活用した温度管理システムを植物工場のイチゴで運用開始
今回の運用により、生産者の出荷から小売店への納品までの全過程で継続的に温度記録を取得することによって、さらなる品質確保と商品が劣化した際の原因究明を可能にするという。

開発においては、サトーがLogBizの提供およびクラウド上の温度履歴管理システムの開発、スマートフォン用のアプリケーションの開発を担当した。沖縄セルラーは、品質管理トレース・システム及びアプリケーションのUI検討、美ら島ベリーの輸送における温度履歴管理システムの利用を行い、KDDI総合研究所は、輸送中の温度変化による品質劣化に関する解析を担った。今後は、温度変化による品質劣化を警告するシステム開発を予定している。

※ LogBiz:RFIDタグとバッテリー駆動の温度ロガーを1枚のRFIDラベルに加工し、食品や化学製品、医療品等の輸送・保管中の温度変化による品質劣化を防止する商品で、今回運用するLogBizは全体で約1000個だ。