サイバネットシステム、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始

国内の工場では、生産性の向上や省エネルギー対策のために、生産設備/機器の保全やライン稼働監視などでIoT機器を用いて稼働監視や予兆保全を可視化する動きが広まっている。株式会社矢野経済研究所が2021年6月に発表した「工場デジタル化市場に関する調査」によると、IoTやAIを利用した工場デジタル化の国内市場規模は、1兆6,760億円(2021年度の企業発注ベース)と予測されている。

しかし、センサー機器などから取得されるIoTデータは、多変量(※)なビッグデータのため従来のツールでは分析が難しく、「何にどう活用したらよいか判らない」「データ活用のための統計解析や多変量解析といった専門知識を持つ人材やノウハウが不足している」などの課題がある。

サイバネットシステム株式会社は、自社開発したビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始した。

BIGDAT@Analysisは、高度な専門知識がない人でも、実験データや工場の機器ログなどから出力される様々なビッグデータの可視化・分析を簡単な操作で可能とするソフトウェアである。2016年5月から2021年12月までサイバネットが開発・販売していたBIGDAT@Viewerの後継製品で、データの特性に合わせて新たに6種類のマップ(分布図)化手法が選択できるようになった。
サイバネットシステム、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始
CSV形式のデータをそのまま読み込ませるだけで、データの類似性を元にマップを作成する。マップの形状により、分析対象のデータの性質・構造が視覚的に把握できる。生産設備や工場ラインの現場担当者自身がデータ全体を俯瞰し、製造プロセスなどにおける不良要因の解明、対策立案などの対策を取ることが可能となる。

サイバネットシステム、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始
BIGDAT@Analysisから出力された解析結果のマップ(分布図)例
また、IoT機器で集積するデータは、膨大な特性(変数)が観測されるため、分析するには仮設を立てながら目的に合わせた手法を選択する必要があるが、BIGDAT@Analysisを利用することで、多変量のデータにおいてもターゲットとなるデータとそれ以外のデータの差分を表示させ、差の大きい物から順番に表示することができる。
サイバネットシステム、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始
統計分析の対象として著名な「スイス銀行紙幣データ」の相関解析例。
「横幅、左縦長、右縦長、下枠長、上枠長、対角長」の6種類の測定値(変数)のうち、本物の紙幣と偽札で相違の大小を分析している。
さらに、複数のマップ化手法でビッグデータを一度に可視化し、結果を見てからデータの特性に合わせた適切な手法を選択できる。それぞれの手法に合わせるためにデータを加工することなく、分析時間の短縮を実現する。
サイバネットシステム、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を販売開始
BIGDAT@Analysisで選択できる6種類のマップ化手法
BIGDAT@Analysisを活用してデータの全体構造を俯瞰して直感的に把握することで、工場設備の予兆保全などを効率化させる。

サイバネットシステムは今後、IoT機器から集積されるデータに欠損等がある場合は分析前の処理が必要だが「どのように修正してよいか分からない」という声に対して、2022年後期に予定しているバージョンアップ時に、前処理が必要な個所および修正案をワンクリックで表示し、修正の実行まで行える機能の追加の実現に向えて取り組むとしている。

また、これまで顧客から寄せられている「データの寄与度を数式でそれぞれ表したい」という要望に応えるべく、選択領域のデータ毎に複数の手法を用いて回帰分析を実行する機能の追加も予定している。

※ 多変量:複数の変数(項目、属性、次元数)からなり、計算負荷が高くなるデータ。