そろそろドローンで騒ぐのはやめよう

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先ほど、衆議院内閣委員会で、小型の無人機「ドローン」を国の重要施設の上空で無断で飛行させることなどを禁止する法案が賛成多数で可決された。違反者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すなどの内容だ。

もちろん安全な暮らしを守るためのルールは必要だと思うが、多くの人が、ドローンついて少々敏感すぎるのではないかと思っている。

IoTNEWSはこの絶妙なタイミングで、DMM.com いろいろレンタルで、ドローンをレンタルしていたのだが、これだけ世間を騒がせているドローンの操縦は「実はかなり難しいのではないか?」という予想があり、実際に検証してみた。

今更ではあるが、ドローンとは、無人での飛行が可能な航空機(UAV=Unmanned Aerial Vehicle)の総称である。もともとは無人偵察機や無人攻撃機として軍事用で作られた。複数のプロペラがあるものはマルチコプターとも言われる。

 

オフィスでテスト飛行

今回レンタルしたドローンは、Parrot(パロット)の「ミニドローンズ ローリング スパイダー レッド」。
ドローン

ジャイロスコープ3軸と加速度計3軸がサポートするオートパイロットにより安定した飛行をする設定で、自動で離陸してホバリング体制に入り、着陸ボタンを押せば、自動で着陸するものだ。

とはいえ、実際に操作してみたところ、すぐに上手な操縦はできなかった。

約1時間の充電で約6分(タイヤ装備時)しか飛行できないが、フル充電のバッテリーが3つついてきたので、約18分練習してなんとかモノになった。

ドローン

充電方法は、ドローンにバッテリーを装着した状態で、USB充電用ケーブルをつなぐ必要があるので、遊んだあとに3つのバッテリーを充電するには約3時間かかる。

サーフェスにドローン

 

操縦の様子は動画でご覧いただきたい。

▼【動画】DMM.comでドローンをレンタルし、操縦は簡単なのか、難しいのか試してみた(※音が出ます)

 

結論。ドローンの操縦は、練習と知識が必要だが・・・

昭和時代の少年たちが欲したラジコンヘリよりは操縦が簡単だと言われていて、たしかに数十分で操縦は慣れるようにはなったが、小さなおもちゃのようなドローンでも、思い通りの方向へ動かしたり完璧に操縦するのは難しく、もっと練習が必要だと感じた。

さらに、このミニドローンズ ローリング スパイダー レッドは飛行時間が約6分と非常に短いため、夢中になって遊んでいる間に充電が切れて落下してしまう。通信規格がBluetooth Low Energyのため、ネットワーク範囲は20mしかない点も気を付けなければいけないポイントだ。

今回は、室内でしかテスト飛行をしていないが、室外であれば天候にも大きく左右されることが容易に想像できる。

おもちゃであっても、大型で高出力なものも多いので、ある程度知識を持ち練習を重ねた人が操縦するべきだと思った。

 

ホビー用ドローンと業務用ドローンを分けて、話をしよう

ドローンと一言で言っても、ホビー用と業務用、さらに軍事用の大きく3つに分けられるが、ここでは、ホビー用と業務用ドローンについて話をしたい。

ホビー用については、もうどこでも手に入るようになっているし、飛行禁止区域などは国や自治体などがバラバラと動いている状態で、さらには登録制や免許制にするべきだという意見もあるという、カオス状態だ。

しかし、人が操縦する限り免許を持っているからといって根本的な解決にはならない。メーカーに対して、自動操縦機能の充実や、センサーによる衝突回避、不慮の電池切れを未然に防ぐ不時着など、技術面での規制も考慮すべきだ。

例えば、クルマで使われているようなセンサーをドローンに搭載し、人やモノにぶつからないような設計をしたり、充電が残り少ない際はそもそも飛行できないようになっていたり、自動でゆるやかに着地したりできる、などだ。

 

一方、商業用のドローンは、様々なメリットの方が大きい。

実際映像面だけでも、テレビ制作会社による、規制以前のドローンで撮影された映像は、これまでなかったアングルでの映像がとれていて、とても新鮮だった。さらに、様々な展示会で災害対応や、遠隔地への物資輸送などといった提案もなされている。

政府も「土砂崩落、火山災害、トンネル崩落などの現場における被災状況調査、橋梁、トンネル、河川やダムなどのインフラ監視、消火・救助活動、測量、警備サービス、宅配サービスなど様々な分野での利用が可能であり、社会的に大きな意義がある」と認めている。

一部の河川などの絶対に安全な地域だけでなく、一定の規制のもと、災害救助など、場面を限定して利用を推進するとよいのではないだろうか。

5月に行われた国際ドローン展で、「ドローン宅配で限界集落を救いたい」という女性社長のお話を伺ったが、買い物難民の高齢者にドローンを活用して必要なモノを届けられるかもしれない。一方、様々な騒ぎが起きる中、ドローンというもの全体についてマスコミで報道されてしまったがゆえに、こういった素晴らしいサービスに対する規制が厳しくなってしまうのは、あまりにも残念だ。

これからどんどんモノがインターネットに繋がり、今、世界中でIoT(Internet of Things)時代の到来を目の前にし、しのぎを削っている状態だ。こういう新しい技術を社会に取り込む時は、実際の場面でのテストを重ねることが重要なので、過剰になりすぎずどんどん飛ばして行く中で、いいものやサービスを作っていってほしい。

そろそろドローンで騒ぐのはやめよう。

 

【関連リンク】
女性社長が、ドローン宅配で限界集落を救う
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&GP ドローンはどこで飛ばせる?「全国ドローンエリアガイド」があれば大丈夫!

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