IoT/AI時代のテクノロジー4つのインパクト ーIDC 鳥巣氏講演 ソラコム if-up2017レポート1

IoTプラットフォームSORACOMを提供する、ソラコムが主宰するIoT/AIの技術者のためのカンファレンスが開かれた。

冒頭、ソラコムの片山氏より、今回のカンファエンス名「if-up」について説明があった。

ネットワークを起動するコマンドである「if-up」。それをタイトルとしたソラコムのテクノロジーカンファレンスだ。

ソラコム if-up 2017

今回のカンファレンスを通して、参加者が起動するきっかけになれればと述べた。

基調講演 IDC Japan鳥巣氏

ソラコム if-up 2017

国内でのIoTに関する市場規模の算出をしているIDCのアナリスト、鳥巣氏よりテクノロジーのトレンドが解説された。

現在支出額が多いユースケースは、産業向けのM2Mのユースケースで、全体の8割を占めていると考えている。

一方で、2020年に向かう成長性が高いユースケースは、スマートグリッド、公共交通システム、コネクテッドカー、など社会インフラや交通インフラが充実していくとみている。また、農業のIoTや介護・医療のIoTが増えていくとも述べた。

こういったIoT市場の多様化に伴って、テクノロジーはどう変化していくのだろうか?

市場の広がりを引き起こす10大インパクトと、テクノロジーの変化

ソラコム if-up 2017

市場の広がりには10大インパクトがあるとし、そのうち、「IoTコネクティビティ」、「デーアタグリケーション」、「コグニティブ・AIシステム」、「エッジコンピューテイング」という4つの要素について解説がされた。

IoTコネクティビティ

ソラコム if-up 2017

IoTに特化した様々な通信が最近でてきている。そこで、どの通信が何に向いているか?を整理するため、縦軸に、モバイルに向いている通信と固定系に向いている通信、そして、信頼性と経済性という軸をとってユースケースを並べてみたということだ。

「様々なコネクティビティ技術を、用途によって組み合わせて使うことが重要だ。」と述べた。

また、IoTコネクティビティの例として、スマートメーターがあげられたが、そこでは、920MHz帯、LTE、PLC、Wi-SUN、LPWANといった様々な技術があり、最近注目を集めているのは、LPWANで、18年には、全IoT回線の3%に達すると見ているということだ。

データアグリゲーション

ソラコム if-up 2017

全世界で年間生成されるデジタルデータの量は、2016年で16兆GBであったのが、2025年には160兆GBとなると予想している。そのデータのうち、IoTデータは2025年では2割だが成長率が高い一方で、非IoTデータは8割となると予測している。

このデータを見ると、一見IoTのデータ量って大したことがないと思うかもしれないが、そもそもIoTのデータ量は非常に少ない。成長率を考えると利用されている箇所がかなり増えてくるという予測がされていることがわかるだろう。

この点について、「IoTデータの量を見るだけでなく、非IoTデータも視野に入れて(組み合わせて)分析する、つまりデーターをアグリゲーションして分析するということが重要だ」と鳥巣氏は指摘している。

保険業界の例をみるとわかることとして、これまでは、「年齢・性別」、「車種」、「事故率」、「健康」といった「非IoTデータ」を中心に取得してきた。一方で、最近では「IoTデータ」となる「走行距離」や、「走行速度」、「急ブレーキ」、「急ハンドル」などを取得することで、産業に特化した新しいサービスができているというのだ。

コグニティブ・AIシステム

最近のコグニティブへの取り組みを見ていると、「ユーザの裾野拡大」「パフォーマンスの向上」という2つの傾向が見られるという。

コグニティブによって技術障壁やコスト障壁を下げる役割を果たしているというのだ。後者おいては、これまでの何十倍の処理能力を持つチップを開発することでパフォーマンスが向上する可能性が秘められている。

一方で、「いくら技術が進んでもデータがないと話にならない。」という。現状で存在するデータが、非IoTデータがほとんどであるということを考えると、これまでは、コストの削減や人的労働力の置き換えが多かったことがわかるだろう。

しかし、2020年に向けてIoTデータが増えてくることで、「これまで人間にはできなかった判断スピードを代替していく」ということになるのだ。

エッジコンピューティング

これまでエッジで収集したデータは、クラウドで分析することが一般的であった。その一部をエッジ側でやるということがエッジコンピューティングだ。

「現場思考型」エッジコンピューティングは、工場内に閉じた製造オペレーション管理や、病院内に閉じた医療の画像管理などで活用されている。保守的な企業に多い利用傾向だ。

また、「分散協調型」エッジコンピューティングは、エッジだけでなく、クラウドも活用する、場合によってはエッジ同士が協調して処理を行うということが想定されている。コネクテッドカーやスマートシティがその例だ。

2020年までに40%がエッジ側で処理・分析されるということを想定しており、クラウドだけでの処理では追いつかなくなる時代が早晩やって来くる。

これらを考慮してIoTを志向するエンジニアは、下図のようなレイヤーを意識して広くスキルを持つことが重要となると述べた。

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