目指すのはエコシステムによる協創、ランドログが建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

コマツ、SAP、NTTドコモ、オプティムの4社からなる合弁会社、株式会社ランドログは、建設生産プロセス全体をつなぐIoTプラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」を正式リリースするとともに、パートナー企業向けの新たなプログラム「LANDLOG Partner」の提供を開始すると発表した。

昨日、同社は先行パートナーやメディア向けに「LANDLOG Partner説明会」を開催し、パートナー制度「LANDLOG Partner」の背景とその概要について説明した。また、説明会の後半では、先行パートナーとの協業事例について発表があった。

今回、その説明会の模様について、2回にわたって紹介する。当記事では、「LANDLOG Partner」の背景とその概要について説明する。そして、第2弾では、先行パートナー5社による協業事例などを紹介していく。

LANDLOGの目的はエコシステムによる協創

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

冒頭、株式会社ランドログ 代表取締役社長 井川甲作氏(トップ写真)より、IoTプラットフォームLANDLOGを立ち上げた背景を振り返るとともに、「LANDLOG Partner」の趣旨について説明があった。

LANDLOGは、建設生産プロセスにかかわる地形・建設機械・資材・車両などあらゆる「モノ」のデータを「コト化」し、アプリケーションに提供するオープンなプラットフォームだ。

建設現場では、センシングが困難でデータの取得ができない、あるいは取得できたとしてもすぐに使える状態になっていないなどの理由から、デジタル化がなかなか進んでこなかった背景があるという。

たとえば、建機の「刃先情報」は、それだけで「地形情報」にはならず、サーバ側で加工しなければ「地形データ」として活用できない、ということがある。

また、「建設現場では複数のメーカーの建機を併用している場合がほとんどです。そのため、データを管理しようとすると、メーカーごとに別々のウェブサイトを開かなければならないといった状況が発生し、全体のプロセスが見えないことが課題でした」と井川社長は語る。

それらの課題を解決すべく開発されたLANDLOGは、日々ドローン(EdgeBox)やKOMTRAXといったエッジソリューションにより、ユーザーには「使えるデータ」が提供される。

また、オープンなプラットフォームであり、キャタピラーなど他メーカーの建機からでもデータを収集することができ、アプリケーションも全く別の企業が提供することが可能だ。

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

井川社長は、LANDLOGのビジョンは「エコシステム」だとして、「参加される方みんなが、Win-Winになるような仕組みをつくっていきたい」と語った。

つまり、建設業全体の課題を解決するためには、パートナー企業がエコシステムを形成し、互いに協創していくことが重要だというのだ。

そのエコシステムでは、単純にアプリ開発者がLANDLOGから提供されるAPIを使ってアプリケーションをつくるだけではなく、一緒にディスカッションすることで課題の新たな解決方法を見つけたり、ソリューションをつくりたいが、自社にそのリソースがない場合に、誰かが手を上げてつくったりするような関係が想定されているという。

そのために、ランドログは機能としてのLANDLOGプラットフォームを提供するだけではなく、エコシステムをつくる「場」も提供するとして、新たにパートナー制度を導入したのだ。

「将来的には、LANDLOGをご利用いただく方がどんどん前面に出ていただいて、アプリケーションの端に”Powerd by LANDLOG”と表記していただくようなことが、わたしたちの本当の理想形です」と井川社長は語る。

LANDLOG Partnerの概要

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始
株式会社ランドログ CDO 明石宗一郎氏

つづいて、株式会社ランドログ CDO 明石宗一郎氏より、LANDLOG Partnerの概要について説明があった。

3種類のパートナーカテゴリー

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

LANDLOG Partnerでは、パートナーの種類や会員ステータスによって、提供されるサービス内容や料金体系などが異なってくる。

まず、大きな枠組みでは、一般ユーザーとLANDLOG Partner会員の2種類がある。一般ユーザーは無料だが、LANDLOGのサービスを一部利用することはできる。一方、パートナーは有料だ。そして、そのパートナーは以下の3つに分かれる。

  • ビジネスパートナー:建設業をはじめとするビジネス提供の主体となるパートナー
  • ソリューションパートナー:ビジネス展開に必要なコンサルティングやソリューションを提供するパートナー(ベンダーやシステムインテグレーター、コンサルティングなど)
  • IoTデバイスパートナー:LANDLOGプラットフォーム上で動作するデバイスを提供するパートナー(ドローン、カメラ、通信モジュールなどのメーカーおよび商社)

2種類の会員ステータス

そして、有料のパートナー会員は、「エクセレント」と「スタンダード」で分かれる。エクセレントは、LANDLOGとの取り組みにコミットし、一緒にビジネスを創っていく企業が該当するという。

しかし、初年度はそのように二つに分けるというような運用はせず、初年度特典としてエクセレント機能を全パートナーに開放するということだ(ただし、2年目からは通常通り運用となる)。

また、初年度でもエクセレントの要件を満たしていないとランドログが判断した場合は、その機能や優遇を受けられない可能性もあるという。

エクセレントパートナーの要件には、1年以内にLANDLOGを活用した外部ビジネスを企画・推進することや、ワーキンググループ(以下、WG)において継続的な貢献が認められることなどがある。

なお、エクセレントの年会費は30万円、スタンダードは10万円だ。ただし、初年度はエクセレントも10万円となるということだ。

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

上の図にあるように、エクセレントになると、LANDLOGから提供されるサービスが増える、あるいは価格面の優遇があるなどのメリットがある。

LANDLOG Partnerに提供される2つのサービス

また、提供されるサービスの種類には、主に「LANDLOGサービス」と「コミュニティ」の2種類がある。

LANDLOGサービス

「LANDLOGサービス」には、プラットフォームの利用のみならず、技術サポートや価格面での優遇などが含まれる。特に価格においては、エクセレント会員になるかならないかで、サービスの料金体系が大きく異なってくるのが特長だ。

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

サービスの種類も、①レベニューシェア、②API利用、③プラットフォーム連携の3つに細かく分かれている。①のレベニューシェアとは、決済を含めたLANDLOGのすべての標準機能を使うタイプだ。②のAPI利用は、決済は含まれない。

たとえば、エクセレントパートナーは①レベニューシェアのサービスを、月額9,000円/アプリ・月で利用できるが、これが一般提供価格になると、20,000円になるという。初期費用は一般でも10万円で変わらないが、エクセレントパートナーは毎月の利用料において大きなメリットがある。

また、アプリ決済利用料(LANDLOGのAPIを活用してアプリを使った場合、ランドログに支払う料金)も、エクセレントでは決済金額の9%だが、一般提供では20%と大きい。

具体的な金額については生々しい話ではあるが、プラットフォームの課金ビジネスがさまざまな産業で起こりつつある昨今では、このような料金体系の組み方というのは、ビジネスモデルとして重要になってくるだろう。

コミュニティ

LANDLOG Partnerで提供される「コミュニティ」のサービスには、Partner Portalの利用やイベントへの参加、WGでの事業化検討、開発資金サポートなどがある。

ランドログ、建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始

Partner Portalは、上の図にあるように、パートナー同士で情報共有ができるプラットフォームだ。

また、ランドログは、パートナー同士がface to faceでマッチングをする機会(イベント)を年に一度アレンジするという。

たとえばビジネスパートナーは、実現したいビジネスがあるがそれを可能にするソリューションがない場合に、LANDLOG Partnerに参画しているソリューションパートナーとピッチや商談の機会を得ることができるのだ。

ワーキンググループ(WG)については、半年を1タームとして活動し、タームごとに活動成果発表の場が提供される。参加するには、ランドログの承認が必要だ。

また、新たなソリューションパートナーや実証フィールドが必要になった場合は、ランドログが全面的に支援するという。

さらには、WGから生まれたビジネスの種について、LANDLOGから資金サポート(上限1,000万円を想定)を得られるチャンスもあるということだ。
 

明石氏は最後に、LANDLOG Partner加入企業に期待することは、一定期間内での新しいビジネスの企画・推進にコミットしてくれることだとして、「単なる情報収集のための加入は期待していません」と語った。また、あくまで競合するのではなく、協創することで一緒にビジネスをつくっていける企業を期待したいということだ。

LANDLOG Partnerの申し込み受付は昨日より開始されており、4月20日に締め切り、5月より本格稼働するということだ。

レポート2弾では、先行パートナーによる協業事例などについて紹介する予定だ。

【関連リンク】
ランドログ(LANDLOG)
コマツが仕掛ける、IoTプラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」。その思惑と、スマートコンストラクションの現状 -コマツ 四家氏インタビュー

Previous

[LIFETECH]甘くないチョコレートの世界に、テクノロジーを掛け合わせる -「Minimal」代表 山下氏×IoTNEWS代表 小泉 対談

アールエスコンポーネンツ、Raspberry Pi用超広角カメラモジュールVR220の販売を開始

Next